ひまわり畑を夢見るブログ

44歳の時、乳がんの診断。ステージ2。手術して抗がん剤とホルモン治療。仕事と治療の両立の生活記録を残します。

読書感想文のブログ記事

読書感想文(ムラゴンブログ全体)
  • 「折口信夫「まれびと」の発見」上野誠

    先ほど素晴らしい本の感想を投稿してしまってこれを書くのは大変感動が薄れてしまい、急に現代に引き戻されたような気がします。 先に、この記事を見つけてしまった、この本に関連のある方に謝罪いたします。この後に良いことは書いていませんので、傷つきたくない人は回れ右しましょう。 最近書店で見かける「何かの入... 続きをみる

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  • 「紺青のわかれ」塚本邦雄

    あまりにすばらしすぎて、私の読書人生をこの年になってがらっと変えてしまい、今までの私の好き作家ランキング第一位に突然入り込んでしまったこの作品に対しては、感想なんてありません。唖然としてしまい、あほかというくらい読みました。 何をとっても素晴らしいのです。言葉選び、表現技巧、全体の構成、情緒、心の... 続きをみる

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  • 「人外魔境」小栗虫太郎

    毎度毎度、河出文庫さんにはお世話になっています。この本の存在はずっと昔から知っていて、探検ものということで、私はなかなか読もうとしなかったんですよね。地図Loverの私の想像力の方が広がりすぎて、「魔境」が絞られてしまうのがなんだかさみしくて、手が出ないでいました。ジュールヴェルヌとかそういう感じ... 続きをみる

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  • 「女をかけない文豪たち」イザベラ・ディオニシオ

    本の帯には ”「舞姫」「こころ」「真珠夫人」etc.ああも女心をわからないのは、なぜ??古典文学ではあんなに巧みだったのに(嘆)” とあった、10月発売の新刊だったので、イタリア人女性から見た日本の近代文学についての感想というか、特に女性の扱いについて、鋭い意見が聞けると思い、Amazonで見かけ... 続きをみる

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  • 「感応グラン=ギニョル」空木春宵

    SFが読みたい2022年度版という帯のついている本で、2021年ベストSFで第3位になったSFだそうです。 私がこの本を見つけたのは、Amazonで、私の好きな昭和初期大衆文学を検索していた時、この本のレビューに、「 乱歩×橘外男×サイバーパンク×久生十蘭の不思議な世界」と書かれていて、それはSF... 続きをみる

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  • 「気候文明史」田家康

    私の持論なんですが、地球温暖化は人間のせいだといってCO2がどうとか騒がれていますが、 「人間ごときが地球の気候システムを変化させるようなインパクトを与えることができるか!思い上がるな人類!」 と思っています。割と本気で。だから地球温暖化が人為的なものであるということに基づくビジネスや国際的な取り... 続きをみる

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  • 「ピアノの歴史 楽器の変遷と音楽家のはなし」大宮眞琴

    ブックオフで手にしてしまいました。買って正解の本でした。今まさにピアノに集中しているので、今まさに読んでよかったと、非常に思うのです。 本書は1994年にまとめられた本で、大変古いですが、それまでのピアノの歴史、鍵盤の話に始まり、オルガン→クラヴィコード→ハープシコード→フォルテピアノ→ピアノの流... 続きをみる

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  • 「盲獣・陰獣」江戸川乱歩

    河出文庫大好きだわ~。私の研究対象である昭和初期大衆文学をいっぱい出版してくれているからね。多分買っている本で一番多いのが河出文庫なんじゃないかな。 この乱歩の文庫本の2作品も、昭和初期に作られた作品です。1930年代です。「盲獣」のほうが時代があとで、「陰獣」の3年後の作になるそうです。だけど、... 続きをみる

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  • 「バウドリーノ」U.エーコ

    イタリア文学者の河島先生が、「世間ではイタリアには近代文学がないと言われている」とおっしゃっておりましたが、そんな河島先生が翻訳されたのが有名な「薔薇の名前」という、中世イタリアの修道院を舞台とした推理小説。現代文学です。いつもこの本が気になっていて、買おうかどうか、文庫化を待つかどうか、悩むので... 続きをみる

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  • 「いちばんわかりやすい北欧神話」杉原梨江子

    北欧神話はラグナロクとかオーディーンくらいしか聞いたことがなかったので、簡単な入門書を読んでみようと、一番わかりやすいシリーズで買ってみました。 私のイメージでは、北欧神話世界には、いっぱい神様がいて、巨人族がいて、人間もいて、そんな多神教的世界で、戦いを好み、戦って死んだらヴァルハラへ行けるとい... 続きをみる

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  • 「和音の正体」船橋三十子

    音楽の本です。 アマチュアや中高生で、音楽が好きだけれど、あまり詳しいことは知らない、メロディーやリズムに関する本は多いけれど、和音に注目した本を読んだことがない、そんな人に向けられて書いた簡単な本でした。 私はこの本の章に「スクリャービンの「神秘和音」」というのがあったので、即買いしてしまったの... 続きをみる

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  • 「ロートレアモン全集」イジドール・デュカス

    話に聞いていた本ではありました。ロートレアモンという作家がいるんだと思っていました。たまたまアマゾンでお勧めに出てきたので、ぽちりしてしまいまして、6月に入ってから読み始めました。その前はマーケティングの本を読んでいたんですが、そちらの本は、3分読んだら眠くなる本だったので、感想は「眠い」につきま... 続きをみる

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  • 「悪魔が来たりて笛を吹く」横溝正史

    久しぶりに面白い本を読みたくて、勢いでアマゾンで頼んでしまいました。 いやーーーすかっとした。面白かった。 元はといえば、青酸カリによる毒殺の宝石店襲撃事件。 その容疑者とされた椿子爵の自殺。 椿子爵の作曲した「悪魔が来たりて笛を吹く」。 遺族や、戦災後に椿家に身を寄せていた人たちが、椿子爵を見か... 続きをみる

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  • 「葬送」平野啓一郎

    単行本で全4巻。ショパンの話だというので、ヤマハでチラ見して、Amazonで購入。速攻読み始めました。 ショパンの話、というわけでもないのです。晩年のショパンと、それと並行に語られるドラクロワの話、芸術論、創作論、人生論、そんな感じです。もちろんショパンとドラクロワは仲が良かったので、二人が会って... 続きをみる

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  • 「アイヌと神々の物語~炉端で聞いたウウェペケレ~」萱野茂

    母がアイヌに口承文学があると言っていたので、興味を持って買ってしまいました。いやね、うちには本が山になっているのですよ。部屋のクロス張替えのために今日も本棚から本を全部取り出して運んだんですけど、嫌になるほど、読んでいない本があるんです。それを先に読めっていうんですが、何よりも今すぐアイヌ文学を知... 続きをみる

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  • 「緋文字」ホーソーン

    ひもんじ、と読むんだそうです。母が、大学の世界文学の授業で出てきたというので、私も読んでみました。母は若い時(60年以上前?)に読んでいるらしく、内容をちゃんと覚えていまして、ネタバレギリギリまで話の筋を教えてくれました。それがなかったら読了できなかったと思います。なにせ、読みにくい…。 最初に、... 続きをみる

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  • 「作曲家・人と作品シリーズ:ショパン」小坂裕子

    去年はベートーヴェン生誕250年だったんですが、去年ショパンコンクールがあったので、ショパンの伝記も読んでみるかと、ヤマハで手にした本です。 ショパンの歴史については、小学校くらいの時に図書館で読んでいました。だから大雑把なことは知ってはいるんですが、当時はジョルジュ・サンドがどんな役割を果たして... 続きをみる

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  • 「樹影譚」丸谷才一

    大正の末期に生まれた丸谷才一さんの短編3本が収録されていた薄っぺらい本です。 「鈍感な青年」これは青春物語ですね。この人の書く女性ってどうもこう、芯があります。それも、前に押し出した「しっかりした女性」とかじゃないんです。さりげなく、強い部分があって、青年に合わせつつ自分のしたいこともかなえてしま... 続きをみる

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  • 「西洋中世の罪と罰」阿部謹也

    長い海外文学作品を読んだ後にライトな本を、と思って、このタイトルに惹かれて最近買ったばかりの本を読みました。とても薄い。でも講談社学術文庫なので高かったです。 阿部先生の、中世ヨーロッパの亡霊の研究→罪と罰の研究です。 最初の方は、中世初期の、ゲルマン民族に伝わる幽霊の話です。キリスト教世界での幽... 続きをみる

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  • 「カラマーゾフの兄弟」ドストエフスキー

    大作です。昨日の夜読み終わりました。12月の終わりから読み始めて今日までかかりました。ほんと、私は読むのが遅いですね。 読み終わっての感想。 これは続編があるべきだ! ここが始まりだ! と、思いました。 話の筋は有名なので、割愛しますが、この本の中で、独立して別の本にしていい箇所が2か所あります。... 続きをみる

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  • 「恐怖と哀愁の内田百閒」東雅夫編

    この人の小説を初めて読むのですが、帯に「この世で最も恐ろしい小説を書いた男」とあったのでかなり期待していました。 相変わらず文章が読めない病で、単語はわかるんですが、文章の意味が分からない。展開がどうなっているのか、さっぱりわからないまま読んだから、ちっとも怖くなくて、よほど前に読んだ乱歩の方が「... 続きをみる

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  • 「猟奇と妖美の江戸川乱歩」東雅夫編

    江戸川乱歩のアンソロジーです。 文豪怪奇コレクションの第2弾です。 この本を読むのに本当に苦労しました。乱歩の文章は読みやすくて、前に読んだ漱石よりずっと女性的ですんなり入ってくるはずなのですが、なぜか文章読めない病になってしまいまして。単語はわかるんです。文章は書けるんです。音楽は入ってくるんで... 続きをみる

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  • 「幻想と怪奇の夏目漱石」東雅夫編

    文豪怪奇コレクションとして、東雅夫さんがアンソロジー的なシリーズを出しています。今持っているのは漱石と乱歩と百聞なんですが、第一弾の夏目漱石を読みました。 入ってるだろうな~と思いつつ、やっぱり夢十夜は入っていました。 散文から、小説の抜出部分まで、漱石の幻想趣味がいろいろ入っていて、バラエティに... 続きをみる

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  • 「遊牧民から見た世界史」杉山正明

    この本の前に読んだのが、「文明の十字路=中央アジアの歴史」だったので、そこで得た知識を定着させようと、時代や地域がオーバーラップするこの本を読むことにしました。 前の本が良くできていて、歴史資料に忠実に書かれているのに対し、この本は、歴史観の説教から始まり、最後の章なんかは全然遊牧民文化と関係ない... 続きをみる

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  • 「文明の十字路=中央アジアの歴史」岩村力

    私の西域趣味は、高校生時代、井上靖を読んでから始まりました。中国の向こう側に広がる砂漠地帯、草原地帯、高い山脈に囲まれる台地の遊牧民、なんかかっこいいなー。 それが昂じて私は「スキタイ文明」研究にのめりこむのですが、スキタイ文明は中央アジアの基礎となっている人たちです。そこのところを改めて再確認し... 続きをみる

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  • 「大渦巻への落下・灯台」エドガー・アラン・ポー

    新潮文庫で出ていたのを知らなくて、あれ、でもアッシャー家は新潮で買ったんだったっけかな、ともかく、この本の副題が「SF&ファンタジー編」だったので、ポーの時代に??それは知らなかった!!と、嬉々として購入してしまいました。 全7編。いずれも「これほんまにポーかいな」という感じの、19世紀にしては新... 続きをみる

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  • 「魔女とカルトのドイツ史」浜本隆志

    久しぶりにヨーロッパ中世の魔女狩り関係の本を読んでみた。 だいぶ忘れてしまったなあ…。私の魔女狩りの興味の発端は、「なぜ異端審問の盛んだった中世の中期や全盛期ではなく、終わりくらいになってから魔女狩りが盛んになったのか」という問いかけでした。それについてはある程度答えが出ていたと思うんですが(異端... 続きをみる

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  • 「グレート・ギャッツビー」フィッツジェラルド

    んーーーーー。 いろいろ期待は裏切られた感の多い本でした。 体裁としては、ニックという、ギャッツビーのお隣さんかつ親友が見たギャッツビーの生きざまみたいなものなのですが。 最初のほう、展開がのろのろしていて、よくわかりませんでした。当時のアメリカ東部の社交界(というのか?)の表現をしてみせたかった... 続きをみる

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  • 「ゴシック文学入門」東雅夫

    乱歩にはまったのは若い頃なんですが、最近また乱歩熱が上がってきて、アマゾンで物色していたら遭遇したのがこの本。ゴシック文学って何だろう。ということで買って読んでみました。 中身はいろいろな人のゴシック文学的なエッセイ?評論?でした。この東さんという人はまえがきと解説しか書いていないです。 どんな人... 続きをみる

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  • 「7人の使者・神を見た犬、他13編」ブッツァーティ

    イタリア文学です。 イタリアには近代文学が存在しない!なんて言っている人もいるようですが、この短編集を読んで、こんなに一つ一つの完成度が高く、分野もシュールレアリズムから不条理、キリスト教的物語、SF、形而上学などの様々な様相を見せてくれる様々な文学作品を読んで、イタリア文学すげーーーーーって思い... 続きをみる

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  • 「黒蜥蜴」江戸川乱歩

    乱歩の本はいろんなところから出版されているから、どれにしようかな~ということであれこれ見てみたのですが、春陽堂が「江戸川乱歩文庫」というのを出していて、お値段も手ごろだったので、買ってみました。 文字も大きく、大変読みやすかったです。中学生くらいであれば読める文章の平易さと、内容。いや、人間の皮を... 続きをみる

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  • 「鼻/外套/査察官」ゴーゴリ

    初ゴーゴリです。 ゴーゴリは1809年に生まれ1852年に没した「ロシアの写実主義」の作家と、一般的に言われているようです(と、解説にありました)。 ところがどうでしょう。全くこれはシュールレアリズムじゃないですか。「鼻」は、最初パンケーキの中から鼻が出てきて、それから視点は鼻を失った主人公に移る... 続きをみる

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  • 「文章読本」三島由紀夫

    誰かの作家の文章読本を読もうと思っていたのですが、文章の上手さの好みとしては三島だったので、この本を買いました。 漢字による文学(男性の文学)、仮名文字による文学(女性の文学)によって表現する内容が違っていたことは周知のとおりですが、この本はそのあたりから入っていって、二葉亭四迷以後の文学作品の文... 続きをみる

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  • 「魔の山」トーマス・マン

    約4か月かかって、読みました。途中挫折しそうになりましたが。 主人公が、ちょっと気分転換に3週間ほど療養に、いとこの療養しているサナトリウムに行きます。で、たいした病気でもないのですが病気が発見されて、療養所で多数の死者を見送りつつ結局7年も滞在するのです。 療養所ですから、退屈なものです。最初の... 続きをみる

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  • 「狂気の科学者たち」バーザ

    近代科学の面白珍し実験を集めた、娯楽書です。理系の知識が全くない人でも楽しく読める、面白い本だと思います。 心理実験が多かったですね。でも、昔から人々の興味の中心であった人の生死にかかわる実験も多く、それぞれの実験の概要が2~3ページで書かれていて、大変興味深かったです。科学者っていうのは、興味が... 続きをみる

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  • アニメ「暗殺教室」

    これは面白い!殺せんせーの言うこと、いちいち含蓄があって、親身になってくれて、中学生の時にあんな先生に出会っていたら、私もまともになれただろうなと思ったりします。 ある日、月を半壊した破壊生物が、ある中学校の落ちこぼれクラス3-Eの教師になります。防衛相からクラスメート全員に、その破壊生物=殺せん... 続きをみる

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  • 「皆勤の徒」酉島伝法

    いやあーーーー難しかった。 本の帯に『「SFが読みたい!2020年度版」が選ぶ2010年代第一位ベストSF』と書いてあったので、すごく期待していました。SFは最近読んでいなかったので、久しぶりです。 短編集です。いずれも未来の地球や月面世界を書いているのだろうと思うのですが、最初の作品「皆勤の徒」... 続きをみる

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  • 「幻想小説とは何か 三島由紀夫」東雅夫編

    三島由紀夫が、幻想小説について何か書いたものではありません。東さんという人が、三島文学の中で幻想小説に関連のあるものをまとめたのがこの一冊です。今年7月にあとがきが書かれていることから、出版されたばかりなのでしょう。 大変面白かったです。 最初のほうは三島由紀夫の習作かと思われる幻想的な小説。幻想... 続きをみる

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  • 「花髑髏」横溝正史

    横溝作品と言えば金田一モノですが、そうじゃない別の探偵さんを使った作品があるのだと最近知りました。2020年にドラマ化されたそうですが(されたのか?見てないからわからないけれど、コロナで撮影が進まなかったとかありそうですね)、もう一人、有名な探偵が出てきます。その名が由利麟太郎! 金田一モノと言え... 続きをみる

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  • 「神秘学マニア」荒俣宏

    結構古い本です。 神秘学と言いますか、神智学といいますか、そっち系統に私は興味があって、というのは私が敬愛して音楽の神とあがめるスクリャービンがそういう系統のことに興味を持っており、もし健康でお金があったらインドに行きたいとまで言っていたくらいですから、相当な入れ込みようだったのだろうと思うのです... 続きをみる

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  • 「1Q84」村上春樹

    長い!文庫本で6冊もある!私の歴史上、文庫本では最長です。 表紙にボッスの絵が使われていて、これは深い哲学がありそうだと思って手にしたのですが、期待してなかったけれど、まあ、それが正解でしたね。村上春樹大好きな人はごめんなさい。面白かったですけど、もっと踏み込めないのかと、あとご都合主義文学という... 続きをみる

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  • 「巨匠とマルガリータ」ブルガーコフ

    20世紀のロシア文学の名作です。上下巻2冊。 いやーーー痛快!面白い!深刻なテーマなんていらないで読める、ロシア文学の最高峰ですね。いやもちろん、ファウストが入っていたり、キリスト教の根源的な問題が入っていたり、プーシキンやドストエフスキーの影響もみられるので、そういう目線で読めばそれはそれで面白... 続きをみる

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  • 「アラビアの夜の種族」古川日出男

    上中下3冊の長編でした。 これは、ミステリーです。 話の筋書きはこうです。 ナポレオンがエジプトに攻めてきた!その時、エジプト側の人間はどうしたか。その本を読み始めると何もかも忘れて破滅に導いてしまうという「災厄の書」を献上しよう。 中級官吏みたいなアイユーブという人物が、知事クラスの人間に、これ... 続きをみる

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  • 「スキタイと匈奴 遊牧の文明」林俊雄

    私はかつて高校生くらいのころからスキタイ文化に興味を持っていて、金でできた動物の造形品や冠や帯、馬具などがきれいだなあと感激していました。もともと中国の歴史を勉強していくうえで、「騎馬民族」とか「遊牧民族」に興味が出てきて、そのうちスキタイは本当に興味の中心になりました。この本は、2016年に文庫... 続きをみる

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  • 「夕あり朝あり」三浦綾子

    この人も鉄砲玉人生だなあ…。と思いました。 白洋舎クリーニングの創始者五十嵐健治の、独白形式の「伝記」です。 まだ生後8か月のころに母親が離縁され、養子に出され、そこで貧しく育ち、中学校へあげてもらえず奉公に出て、大金を掴む大志を抱いて東京へ出奔、東京へはそのまま行けず名古屋や長野などで働きながら... 続きをみる

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  • 「神話学入門」松村一男

    神話学の学説史です。 神話については、神話時代から研究されてきたと言ってもいいほど、古い時代からいろんな人が言及しているから、ローマ時代の詩人やアラビアでの伝承なども知りたいなと思っていたのですが、この本は、19世紀と20世紀の、6人の神話学者(本業は神話学者ではないかもしれない人も含む)の学説を... 続きをみる

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  • 「夜の果てへの旅」セリーヌ

    訳が難しすぎて、難儀しました。文章になっていないのです。主語と述語とが、明確になっていないのです。これは、へたくそな訳者のためなのか…と思っていたら、フランス語の先生は、「あの人のフランス語は独特だから難しいんだよね」と言っていました。そうか、原文が難しいからこんな読みにくい訳になるんだなと納得し... 続きをみる

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  • 「古代オリエントの宗教」青木健

    外れな本だったので、悪口ばっかり書きます。 なんじゃこりゃ。 まず、全然古代オリエントじゃないということが問題です。古代オリエントをなんと心得る?オリエントってどこよ、わかってんのかね。そして古代っていつのことを言ってるのさ。オリエントの歴史は紀元前10世紀よりも古いんですけどね、なんですか、この... 続きをみる

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  • 「細雪」谷崎潤一郎

    上中下3巻の長編です。あまりに有名すぎて皆さま読んだことがおありでしょう。 2月の終わりの方に読み始めて案外早く読めたかな、というか、面白くて止まらなくて一気に読んでしまった感じです。最初のほうは退屈でした。なんだかなーこれ全部読むのかー、などと思っていたのですが、中巻から面白くなって一気に読めま... 続きをみる

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  • 「テンプル騎士団」佐藤賢一

    騎士団と言えば、やっぱりドイツの基礎になっているチュートン騎士団、聖マリア修道会の騎士団が有名ですが、そういえばタンプル(テンプルをフランス語読みするとそうなる)ってパリの3区にあったなあと思いだし、テンプル騎士団て名前は聞いているけれど実際はよく知らないなと思い、この本を注文してみました。著者は... 続きをみる

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  • 「異端者たちの中世ヨーロッパ」小山内隆

    すごく時間がかかりました。っていうか、読みにくい。なんじゃこりゃ。 不必要な横文字、当時の教会の在り方や、言葉の価値観の変遷とか、正直、どーでもいいことばっかりでした。 そもそも教会史、中世史を知っていないと、さっぱりわからないことだらけです。アルビジョワ十字軍、グレゴリウス改革、ポスト・グレゴリ... 続きをみる

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  • 「ハーメルンの笛吹き男」阿部勤也

    1284年6月24日、ヨハネとパウロの日の朝、ドイツ・ハーメルンで、笛を吹く男に連れられて130人もの子供たちが村を去った。その行方は誰も知らない。 漠然と、グリム童話などで知っている、中世ドイツのミステリーの一つです。これについて、本書は当時(1974年)には十分と言えるほどの方面から光を当て、... 続きをみる

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  • 「ゆめこ縮緬」皆川博子

    本の帯に「皆川幻想文学の最高傑作」とあったので、どんなもんかと思って読んでみました。現実と幻想が交錯する不思議な時空間の中で語られていく女性たちの姿が、各短篇におぼろげに浮かび上がってきます。時代は昭和初期くらいでしょうか、女性がまだ社会進出し始めようという時の、古い家制度の中の女性が描かれること... 続きをみる

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  • 「本陣殺人事件」横溝正史

    「本陣殺人事件」は金田一耕助事件簿の最初の一作と言える作品でしょう。 この本には3本の中編が含まれています。その大部分が「本陣殺人事件」でした。これはなかなか奇怪な登場人物や、昔ながらの家柄とかしきたりとかいうことがトリックの一つになっていて、私は中盤くらいでこれはひょっとしたら…と思わせるところ... 続きをみる

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  • 「グノーシスー古代キリスト教の<異端思想>」筒井賢治

    しんどかったー。読むのがしんどかったー。 かれこれ半月以上かかって読み終わりました。 グノーシスに関する日本人による日本語の入門書?!なのですが、議論が多すぎて、筋がようわからんのです。本の構成も、ちょっと変わっていて、最初に紀元2世紀という時代について、続いてグノーシス主義と言われた3人の宗教者... 続きをみる

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  • 「自負と偏見」オースティン

    世界の十大文学の中の一作。 今日は長距離旅行をしたので、最近読めなかった分、しっかり読んできましたよ~。 英文科出身の人に聞いたら、「この作品はタイトルが悪い、ただのラブストーリーとして読めば面白いのに、人間観察とか難しいこと考えて読んだらつまらない」と言っていたのを思いだし、そのつもりで読みまし... 続きをみる

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  • 「獄門島」横溝正史

    いやー面白かった! 金田一耕助シリーズの2作目だそうです。それを知っていたら、1作目から買ったのに。ちょくちょく1作目のことが出てくるので、1作目を読みたい気持ちでいっぱいです。 時代は戦後直後、昭和21年。金田一の親友は復員途中に妙な遺言を残して死んでしまうのですが、その遺言というのは、自分が死... 続きをみる

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  • 「ミトラの密儀」フランツ・キュモン

    この本は、フランツ・キュモンのミトラ信仰に関する論文の「結論」に当たるのだそうです。そしてこのフランツ・キュモンという人がこれを書いたのは前前世紀、1899年で、この本はそのころのローマ史やペルシャ史などを反映させた、古典的研究著作なのだそうです。シュリーマンみたいなもんでしょうか。あちらはドキュ... 続きをみる

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  • 「ヨーロッパとゲルマン部族国家」クメール・デュメジル

    キリスト教にとって、何が異教か、何が異端かということを調べていた時に判然としなかったのが、「ヨーロッパって何民族の国?」ということでした。 漠然と、一般常識的に、イタリアとスペインとフランスは「ラテン系」と言われ、北欧とドイツは「ゲルマン系」、東欧は「スラブ系」、フランスの一部とアイルランドなどは... 続きをみる

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  • 「昭和史」水木しげる

    水木しげる全集から、「昭和史」全4巻を読みました。1冊550ページというボリュームで、大判の漫画だったので、持つ手が疲れてしまい、なかなか思うように進みませんでした。もっと薄くしてくれてもよかったんですけどね。でもそれぞれの巻がよくまとまっていて、内容の濃い4冊でした。 1巻は「関東大震災~満州事... 続きをみる

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  • 「アーサー王最後の戦い」サトクリフ

    寒い寒い寒い寒い。体の芯から寒いんです。でも布団かぶって寝ていたら汗だくになってしまって、それでも寒いので、生姜ゆずを飲んであったまりましたが、この体温調節の効かない状態がこの先数週間続くとなると、もういややーーーって思います。この・更年期障害!!速く去ってくれよもう!! というわけで、サトクリフ... 続きをみる

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  • 「アーサー王と聖杯の物語」サトクリフ

    途中で水木しげるを読んだりと、浮気していたので、内容が途中でわからなくなってしまい、面白くなくなってしまい、読むのにずいぶん時間がかかりましたが、よくよく考えてみると、前作「円卓の騎士」とくらべてこちらの方が冒険に満ちたドラマチックな話が多く、短い話の集まりで、結構楽しかった気がします。 少年ガラ... 続きをみる

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  • 「水木しげる漫画大全集・神秘家列伝」水木しげる

    上中下の3冊で、1冊の厚さが3センチくらいあるというヘビーな漫画でした。 古今東西の神秘家列伝マニアの私が、知らない人が結構いたのでびっくりです。 図が素晴らしく、背景描写など多分ご本人が書かれたものではないかもしれませんが、細部にわたって掻きこまれていて、圧巻でしたね。人物の描写も素晴らしい。水... 続きをみる

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  • 「アーサー王と円卓の騎士」サトクリフ

    アーサー王伝説というのが主にイギリスを中心にして広まっています。ローマがブリテン島から引き揚げていった(西ローマはブリテン島どころではなく大変だった)5世紀ごろから南~中央ブリテン島を平定した前後に成立した騎士道物語集のようです。 本当のアーサー王伝説の完全版というのは、私は調べたのですが日本語訳... 続きをみる

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  • 「白骨の処女」森下雨村

    この方は、「日本探偵小説の父」と言われている方です。私はお恥ずかしながら初めて読みました。名前は知っていましたよ、我々昭和初期大衆文学ファンならだれでも知っている「新青年」という雑誌の編集長で、乱歩を世に出した人ですから。 この小説は昭和初期に書かれたもので、何人か殺されます。なのに、全然血なまぐ... 続きをみる

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  • 「泥棒日記」ジャン・ジュネ

    10日以上かかってしまいました。結構読むのがしんどかったです。 泥棒というと私は華麗なるアルセーヌ・ルパンなんぞを思いだすのですが、この話、というか日記というかエッセイというか、詩は、もっと地味なコソ泥、乞食、裏切りの泥棒遍歴です。これを書いたのがジュネ35歳の時で、それまでの歴史(ヒストワール)... 続きをみる

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  • 「シュメールー人類最古の文明」小林登志子

    シュメールは、人類最古の文明であり、現代ヨーロッパの思想の根底にも受け継がれています。それは、旧約聖書の物語や記録に、シュメールの文化のものがちょこちょこと出てくるからです。 シュメール文明の地は今のイラクあたりです。あのあたりで人類最古の文明が生まれたんですね。岩石のない沖積世大地で、農耕は可能... 続きをみる

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  • 「日影丈吉傑作選」日影丈吉

    私の興味のある昭和初期ではないですが、戦後の短編集です。日影丈吉は明治40年の生まれだそうです。 この傑作選には、民俗学的な日本の幽霊や魑魅や物の怪の香りのする短篇や、片や宇宙旅行というか、宇宙に墓参りする話、住民が半分になって死んでしまう不吉な家の話、戦時中の話、台湾の不思議な家の話、自然の森が... 続きをみる

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  • 「ケルトの神話ー女神と英雄と妖精と」井村君江

    ケルトの歴史については何冊か本を読んでいて、アーサー王物語について私は何も知らないということに気が付き、ケルトの神話をたどってみようと思い購入しました。 が、手に取ってびっくり。これは1982年に出版された古い本で、記述されている考古学的な事実も、最近読んだほかの本のほうがはるかに明確で、まだ82... 続きをみる

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  • 「法水鱗太郎全短篇集」小栗虫太郎

    難しかった…。2週間もかかりました。 何が難しいって、言葉が難しい。相当高度な教養がないと読み切れない難解な単語が多く、仏教用語とか、あらゆる外国語とか、科学用語とか、いろんな世界に通じていないととても読み解けたものではないと思いました。 法水鱗太郎というのは、小栗虫太郎の小説に登場する探偵の名前... 続きをみる

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  • 「魔女・怪物・天変地異」黒川正剛

    副題として「近代精神はどこから生まれたか」とつけられています。 本の構成の順番は、天変地異・怪物(奇形)・驚異(未開の地:おもにアメリカの動植物)が大部分で、最後の1章だけ魔女について書かれています。はじめは、この本はなんのために書かれた本なのだろうかと迷子になってしまうような感じでした。 主に、... 続きをみる

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  • ジョージア料理

    ジョージアと言ってもアメリカの州ではありません。最近までグルジアと呼ばれていた国の料理です。ロシア料理です。 今日はそれを食べてまいりました。 ロシアのビールに、グルジア料理。ダイエット中の私でも炭水化物少な目で、大変おいしゅうございました。 特に美味しかったのが、ハチャプリという、ピザみたいなお... 続きをみる

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  • 「世界史を読み解くためのギリシア・ローマ神話入門」庄子大亮

    「面白いほどよくわかるギリシャ神話」と比べると内容が浅く広くという感じでしょうか。「面白いほど…」の方は神様ガイドブック的な側面が強く、オリエントの影響なども語られていたのですが、こちらの本は、本当に広く浅くでした。地母神についての話も「面白いほど…」のほうが詳しかったし、由来についても詳しかった... 続きをみる

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  • 「黄色い部屋の秘密」ガストン・ルル―

    面接の準備もせずに一気読みしてしまいました。 大体1週間くらいかかりましたかね。 この作品は、1905年くらいに発表された、「完全密室犯罪ミステリ」の古典的作品で、のちの多くのミステリーに影響を与えた傑作なのです。 大変面白かったです。ある女性が「黄色い部屋」といわれる完全密室で殺されかけるという... 続きをみる

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  • 「悪徳の栄え」サド

    ふー。 やっと読み終わった。3週間かかりました。 上巻の退屈さに加え、どんな淫蕩も、殺人も、語られるだけで私の心に来ることはなく、淡々と繰り返されるだけで、悲惨な状況が書かれるに及んでも、全然怖くないというか、恐ろしくないというか、悪徳を感じなかったんです。 下巻になると様々な悪事の遍歴の記述とな... 続きをみる

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  • 「虚無への供物」中井英夫

    日本の3大奇書の一つと呼ばれているというのに、私ともあろうものが、今まで読んでいなかったんですね。幻想文学大好きな私が知らずにいたとは…。 ここの所小栗虫太郎が続いて、さらに今年発売した虫太郎の新しい本を買ってしまって、はたと、この3大奇書を私は制覇していないことに気が付きました。 3大奇書のうち... 続きをみる

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  • 「みんな彗星を見ていたー私的キリシタン探訪記」星野博美

    John DOWLAND - Galliards - Paul O'DETTE.avi ふう。1週間かかってやっと読めた。時には読書に集中できないほどの心理的事件がありましたが(学会もありましたね)、面白くて毎日1時間くらいは読んでいたかな。 とても重い本でした。いや文庫本にしては厚みがあ... 続きをみる

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  • 「面白いほどよくわかるギリシャ哲学」

    同シリーズの「ギリシャ神話」に引き続いて読んでみました。 哲学…私が一番苦手とするものです。数学や幾何学は得意ですが、論理学になるとからっきしで、「つまり何が言いたいねん!」ということになってしまいます。 そんな哲学音痴が読める本だといいなと思って、アマゾンで「面白いほどよくわかる」のシリーズを購... 続きをみる

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  • 「面白いほどよくわかるギリシャ神話」「二十世紀鉄仮面」小栗虫太郎

    不眠の日々が続きましたので、読書も続きました。 先に読み終わったのが「ギリシャ神話」です。ダイジェストだったので、詳しくは載っていないのですが、ゼウス以前の神様のことが載っていたり、人間と神の子供で神様になったものがたくさんいたり、古代ギリシャっていうのは非常にファンタスティックだったんだなあと思... 続きをみる

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  • 「近代科学の源流」伊東俊太郎

    主に紀元後から14世紀くらいまでのヨーロッパ・アラブ社会の科学についてよく研究された本でした。書かれたのは1978年だからとても古いですが、歴史観が変わっていなければ、これで十分中世のキリスト教世界の科学の説明はできていると思います。当時、今もそうかもしれませんが、ギリシャに端を発する学問がこれだ... 続きをみる

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  • 「ヘンリー四世」シェイクスピア

    おはようございます。 更新は朝ですが記事を書いたのは26日の夜です。 なぜこの本を手にしたかというと、「悪霊」でニコライがヘンリー四世の王子ハリーに例えられていたからでした。これも「悪霊」を読み解くうえでキーになるかなと思ったんですけれど、うーん。ドストエフスキーが言うほどでもなかったですね。ハリ... 続きをみる

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  • 「謎解き「悪霊」」亀山郁夫

    更新は朝ですが読み終わったのは20日夜です。 江川訳・ドストエフスキー「悪霊」を読んでから、この本をさらなる理解のためにと思って購入したのですが。 いやいやいや。大混乱に巻き込まれてしまった。 こんなディテールにこだわって、本質的なところを見逃しているんじゃないか?ものっそどうでもいい一文を拾い上... 続きをみる

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  • 「悪霊」ドストエフスキー

    これを読むのは3回目です。最初は何がなんやらわからなかったです。そのあと、「罪と罰」を読んで、ロシアの歴史をちょっと勉強して、2回目に読んだときは、「ひょっとして新しい時代への批判なのか?」と思ってしまいました。そして今回3回目です。 この物語は、多くの「二重」あるいは「対立」が隠されていると、2... 続きをみる

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  • 「ロシアを動かした秘密結社ーフリーメーソンと革命家の系譜」

    タイトル負けしてる本でしたね。 ロシアには、フリーメーソンの波が3回来ています。1700年代後半の帝政ロシア、ロシア革命期、それからペレストロイカ後です。 帝政ロシアにおいては、フリーメーソンはロシアのヨーロッパ化に貢献しました。そもそもがフリーメーソンは当時は結構な上流階級の人間の所属する組織に... 続きをみる

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  • コミックビーム編・河合克夫・某H大先生の漫画集

    ご尊名を出すのがはばかられるほど私が心酔している、稀代の天才と信じて疑わない某作家H大先生の珠玉の短編が漫画化されて、それが単行本になって出版されていました。昨日アマゾンで発見してぽちり、今日届き、同窓会から帰ってきて読んだところです。 先日も描きました通り私は第二次大戦前くらいの時代の大衆小説が... 続きをみる

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  • 「紅殻駱駝の秘密」小栗虫太郎

    昭和初期大衆文学ファンの私にとって、小栗虫太郎の、今まで知らない作品を本屋で見かけて、狂喜乱舞、無条件で購入~そして読破~!! まずタイトルがいいですよね。紅鯨団じゃないけれど、紅殻?駱駝?なんですかこの色彩感覚のはっきりした秘密なタイトルは!! これの秘密は読み進めていくとどんどんわかってくるの... 続きをみる

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  • 「魔女狩りー西欧の三つの近代化」黒川正剛

    なんでいきなり魔女狩りなのかというと。 神秘主義に関するある本を読んでいた時に、「魔女狩りは中世真っ只中ではなく近代黎明期に発生したことは特筆すべきことである」ということが書かれていて、理性や合理化や科学の黎明期に、迷信的な魔女狩りがかかっていることに興味がわいてしまって、読む予定の本をすっ飛ばし... 続きをみる

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