ひまわり畑を夢見るブログ

44歳の時、乳がんの診断。ステージ2。手術して抗がん剤とホルモン治療。仕事と治療の両立の生活記録を残します。

「ケルトの神話ー女神と英雄と妖精と」井村君江

ケルトの歴史については何冊か本を読んでいて、アーサー王物語について私は何も知らないということに気が付き、ケルトの神話をたどってみようと思い購入しました。
が、手に取ってびっくり。これは1982年に出版された古い本で、記述されている考古学的な事実も、最近読んだほかの本のほうがはるかに明確で、まだ82年段階ではケルトのことはわかっていなかったんだなあと思わされました。ケルトの文化が明るみにさらされたのはここ30年くらいなのではないでしょうか。


まあでも、ケルト神話の基礎があると、ヨーロッパの絵画や彫刻を見るときに役立つし、ギリシャローマ神話との共通性や、もっと東方の神話との共通性が見られたら面白いだろうなと思って読み進めていました。


私の期待は、アーサー王物語とか、何とかサガとか、そういうものだったのですが、この本は、ほとんどアイルランドの伝説を取り上げています。もちろんその中にはアーサー王伝説のもととなるものがたくさんあるのですが、私はまだアーサー王伝説を知らないので、まだしっかり理解はできませんでした。


登場人物(昔の王様とか妖精とかドルイド僧とか)が多すぎて把握できませんでしたが、キリスト教の影響も見られる中、ケルトの風習が色濃く残されていて、そしてアイルランドの神話時代が華やかに書かれていて、愛の物語や、恋の物語や、冒険の物語などもあって、だんだんアイルランドに行ってみたくなりました。神話のことをもうちょっと知っていれば、多分旅行したら面白いだろうなと思うのです。神話時代の言い伝えは各地に残っているようなので、アイルランドだったら英語も通じるし、行っちゃおうか???
なんて思いながら読み終わりました。


最近ヘビーな本が続いていたので、あっさり、すっきり、平易で明解な文章で、すべての神話を網羅しているわけではなく、興味深いところをうまくピックアップしてくれていて(また神話にはいろいろな解釈があり、物語の結末もいろいろなのだそうです)、とても楽しめました。結構早く読めたんじゃないかなと思います。


なんでケルトなのかというところですが。
そもそも私はスクリャービン教(私がいま勝手に作りました)の信者で、神秘主義に興味を持っていました。そこから始まります。
神秘主義とはなんぞや→中世ヨーロッパ→魔女狩りが中世の終わりに起こったことに興味を持つ→魔女の起源はキリスト教化されなかった土着文化と関係→ついでにギリシャローマ神話→キリスト教がどうしてギリシャローマ神話をそのまま残し、ケルトもそのまま残したのか→じゃあケルト神話でも読んでみよう(今ここ)→キリスト教による魔女迫害には関係なさそうだ、むしろ東方だな(次シュメール)→アーサー王もカバーしておこう(次の次位にアーサー王伝説)→…→井筒俊彦「神秘哲学」
という流れで読んできました。「神秘哲学」にたどり着くにはまだちょっと長い道のりがありますが、ヨーロッパ世界の歴史を振り返りながら、ついでに東方の国々の文化も振り返りながら、井筒俊彦「神秘哲学」にたどり着いたらいいなと思います。文庫化されたしね。


次は、また昭和初期大衆文学に戻りたいと思います。


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