ひまわり畑を夢見るブログ

44歳の時、乳がんの診断。ステージ2。手術して抗がん剤とホルモン治療。仕事と治療の両立の生活記録を残します。

「世界史を読み解くためのギリシア・ローマ神話入門」庄子大亮

「面白いほどよくわかるギリシャ神話」と比べると内容が浅く広くという感じでしょうか。「面白いほど…」の方は神様ガイドブック的な側面が強く、オリエントの影響なども語られていたのですが、こちらの本は、本当に広く浅くでした。地母神についての話も「面白いほど…」のほうが詳しかったし、由来についても詳しかった。こちらは広く浅くですね、網羅していますが、端折ってあることが多くて、先に「面白いほど…」を読んでおいてよかったと思いました。


私は、ローマ神話に期待したのですが、実際はローマ神話というのは存在しないのか、ローマの神様はたくさんいますがみんなギリシャ神話からの流入だったのかと思わせるところがありました。ただローマが自己正当化をしたいがために自分たちの神様の名前をギリシャの神様の名前より優位において語り継いだのではないかと思うのですが、実際どうなんでしょう。本地垂迹説的なことがあったのかもしれませんが、ローマオリジンの神様ってほとんどいない?少なくともこの本ではほとんど紹介されていました(それほどギリシャの神様の話が多いというのもありますが…)。


ローマらしい話はローマ建国のロムルスとレムスの話からで、実はこの双子もギリシャ神話で語られているトロイ戦争の勝者の子孫にあたるという風に語られていて、ああこれは無理やりくっつけたんだなと思いました。
神話はそうやって後の人が無理やりくっつけたり意味を大きく変えてしまったものが多々あります。


日本では、皇国史観をタブー視する点から、古事記などを教育の現場から省いてきたそうです。少なくとも私は日本の神話をほとんど知りません。でも、ヨーロッパの人はギリシャローマ神話を授業で習うのだそうです。神話には、歴史的事実と、国を統治するうえで必要だと思われる格付けのための創作がごっちゃになっていて、時には神話の中に歴史を読み解くヒントがあったりもしますが、日本も、フィクションでもノンフィクションでもない「神話」という分野を、そういうものとしてもっと楽しめるようであったらよかったのにと思います。


さて私の読書シリーズも、神秘主義に興味を持ち、中世ヨーロッパへの興味からなぜか魔女狩りに行き、引き返して神秘主義のもとになっているギリシャ哲学やギリシャ神話までやってきました。さていよいよ神秘主義の本を読みたいと思っていますが…ちょっと休憩で、なにかガラッと変わったものを読みたいと思います。
今月は月4冊行けるかな?たまには日本の文学作品を読みたいですね…。


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