ひまわり畑を夢見るブログ

44歳の時、乳がんの診断。ステージ2。手術して抗がん剤とホルモン治療。仕事と治療の両立の生活記録を残します。

「アーサー王最後の戦い」サトクリフ

寒い寒い寒い寒い。体の芯から寒いんです。でも布団かぶって寝ていたら汗だくになってしまって、それでも寒いので、生姜ゆずを飲んであったまりましたが、この体温調節の効かない状態がこの先数週間続くとなると、もういややーーーって思います。この・更年期障害!!速く去ってくれよもう!!


というわけで、サトクリフオリジナル・アーサー王シリーズの完結編を読み終わりました。この話は、前作が聖杯をめぐる騎士たちの物語だったものとはうってかわって、アーサー王自身の話になります。


1冊目で明らかにされていた、ランスロットとアーサー王妃の浮気に片を付けるわけです。ばれてしまったので、王妃は火あぶり、ランスロットは打ち首ですが、そこはアーサー王の慈悲によって乗り越えられます。で、ランスロットはアーサー王の元から去っていき海を越えた自分の国に戻ります。
そこで出てくるのが、アーサー王と実の姉の間の子供である呪われた子供であるモルドレッド。アーサー王をけしかけて、ランスロットが謀反を起こすから先に押しかけて包囲してしまえと。その間の留守を守ると。まあよくあるパターンの展開ですがそこを乗っ取って大王に納まってしまいます。そして残された王妃に結婚を迫る。王妃はアーサー王に手紙を書いて戻ってくるように言うけれどそのころには騎士の半分くらいはアンチに回ってしまっているわけですよね。ガウェインが窮地から旧友そして今は敵となってしまったランスロットに援軍の手紙を出します。
が。その前にアーサー王とモルドレッドが対決して多くの騎士が失われ二人とも死んでしまう?モルドレッドは死んでしまうけれどアーサー王の死んだ描写はないのですが…。ランスロットは間に合わなかったのです。期待してたんですけどね。
話はもうちょっと続きます。
ランスロットと王妃の関係の清算と、その後の二人の運命です。キリスト教文学らしく、過ちに許しを得るために祈りの日々を送ります。騎士は道士になり、ランスロットは司祭になるという…えええ的な展開。


日本の武士道物語のいろいろを聞いても、親子で戦う、兄弟で戦う、その後僧侶になるなんていっぱいありますから、アーサー王物語はそうした実際の戦国時代のドラマと比較したら結構単純なところがあります。でも、この話はそれでは何を伝えたかったんだろうなと、考えたのですが、私は「義」だと思うのです。西洋的な義理人情の考え方。友情とか、忠義とか、夫婦のきずなとか、いろんなものが出てきましたが、最終的にある人にとって大事なこととは、その人にとっての義なんだろうなと思いました。そのために祈り、働き、活動し、そしてそれは決して完成されることはないものだと思うのです。義を果たした、という言い方をするかもしれませんが、完全に果たすことはありません。何かをするということは、必ず良い側面だけではなく悪い側面も同時に持っているから、道義的なことを行ったとしても、誰かにはそれは非道に見えたりするものです。
自分なりの義を通そうとしても、角が立つ。友情を重んじても、秘密の愛情を維持しても、やはり最後は散るんだなと思ったりします。そういう意味で、義とはきわめて自己中心的な世界なんでしょうね。それぞれの義は異なるから、齟齬が起こり、ドラマが発生するんでしょうね。大大円なんてことは、ないんでしょう。
それでも私は自分の義を通しますけど、時にはそれが間違っているということを言ってくれる友人や親を持っていることは私は幸せだと思ったりします。


物語は湖のランスロットの死まで書かれていますが、本当のアーサー王伝説はそこまで書かれているかどうかわかりません。本物のアーサー王伝説では、アーサー王は死んでいないのです。今も、ブリテン島のどこかで生きていて、傷をいやして次の戦いの時を待っているのです。今でも生きているっていうのは空海みたいですね。


これでアーサー王物語も制覇したので、だいぶヨーロッパの古典に強くなりました。付け焼刃なので覚えているところは少ないですが、イギリス旅行をすることがあるとしたら、ちょっとは楽しめるかなと思ったりします。まあでもこれはイギリスの古典ですかね。各所にケルト的な雰囲気を感じさせるところはありましたが、ブリテン島と、キリスト教の物語であるということは言えると思います。


次は何にしようかな~。あ、ドイツにしよう。北欧神話は読んだけど、ゲルマン神話は読んでないし、ゲルマンってそもそも、今のラテン系といわれている民族であるフランス人スペイン人イタリア人も人種的にはゲルマンなんですよね、文化圏と人類学的な区分ではちょっと違うみたいです。その辺、明らかにしたいと思います。

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