あまりにすばらしすぎて、私の読書人生をこの年になってがらっと変えてしまい、今までの私の好き作家ランキング第一位に突然入り込んでしまったこの作品に対しては、感想なんてありません。唖然としてしまい、あほかというくらい読みました。 何をとっても素晴らしいのです。言葉選び、表現技巧、全体の構成、情緒、心の... 続きをみる
文学のブログ記事
文学(ムラゴンブログ全体)-
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眠い~。 朝5時半に起きて、真っ暗。寒い。屋外の温度計は3度。ええええ。 過酷な季節がやってまいりました。 家を出るのは日が出てないけれど薄明るい中でした。コートも一番厚いのを着て出ました。これは寒いわ、自転車きついわ。 仕事できるかな~。明日発表なんだよな~今日中に片付くといいなあ~。 でも甘か... 続きをみる
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毎度毎度、河出文庫さんにはお世話になっています。この本の存在はずっと昔から知っていて、探検ものということで、私はなかなか読もうとしなかったんですよね。地図Loverの私の想像力の方が広がりすぎて、「魔境」が絞られてしまうのがなんだかさみしくて、手が出ないでいました。ジュールヴェルヌとかそういう感じ... 続きをみる
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本の帯には ”「舞姫」「こころ」「真珠夫人」etc.ああも女心をわからないのは、なぜ??古典文学ではあんなに巧みだったのに(嘆)” とあった、10月発売の新刊だったので、イタリア人女性から見た日本の近代文学についての感想というか、特に女性の扱いについて、鋭い意見が聞けると思い、Amazonで見かけ... 続きをみる
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河出文庫大好きだわ~。私の研究対象である昭和初期大衆文学をいっぱい出版してくれているからね。多分買っている本で一番多いのが河出文庫なんじゃないかな。 この乱歩の文庫本の2作品も、昭和初期に作られた作品です。1930年代です。「盲獣」のほうが時代があとで、「陰獣」の3年後の作になるそうです。だけど、... 続きをみる
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イタリア文学者の河島先生が、「世間ではイタリアには近代文学がないと言われている」とおっしゃっておりましたが、そんな河島先生が翻訳されたのが有名な「薔薇の名前」という、中世イタリアの修道院を舞台とした推理小説。現代文学です。いつもこの本が気になっていて、買おうかどうか、文庫化を待つかどうか、悩むので... 続きをみる
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話に聞いていた本ではありました。ロートレアモンという作家がいるんだと思っていました。たまたまアマゾンでお勧めに出てきたので、ぽちりしてしまいまして、6月に入ってから読み始めました。その前はマーケティングの本を読んでいたんですが、そちらの本は、3分読んだら眠くなる本だったので、感想は「眠い」につきま... 続きをみる
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久しぶりに面白い本を読みたくて、勢いでアマゾンで頼んでしまいました。 いやーーーすかっとした。面白かった。 元はといえば、青酸カリによる毒殺の宝石店襲撃事件。 その容疑者とされた椿子爵の自殺。 椿子爵の作曲した「悪魔が来たりて笛を吹く」。 遺族や、戦災後に椿家に身を寄せていた人たちが、椿子爵を見か... 続きをみる
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母がアイヌに口承文学があると言っていたので、興味を持って買ってしまいました。いやね、うちには本が山になっているのですよ。部屋のクロス張替えのために今日も本棚から本を全部取り出して運んだんですけど、嫌になるほど、読んでいない本があるんです。それを先に読めっていうんですが、何よりも今すぐアイヌ文学を知... 続きをみる
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ひもんじ、と読むんだそうです。母が、大学の世界文学の授業で出てきたというので、私も読んでみました。母は若い時(60年以上前?)に読んでいるらしく、内容をちゃんと覚えていまして、ネタバレギリギリまで話の筋を教えてくれました。それがなかったら読了できなかったと思います。なにせ、読みにくい…。 最初に、... 続きをみる
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大作です。昨日の夜読み終わりました。12月の終わりから読み始めて今日までかかりました。ほんと、私は読むのが遅いですね。 読み終わっての感想。 これは続編があるべきだ! ここが始まりだ! と、思いました。 話の筋は有名なので、割愛しますが、この本の中で、独立して別の本にしていい箇所が2か所あります。... 続きをみる
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この人の小説を初めて読むのですが、帯に「この世で最も恐ろしい小説を書いた男」とあったのでかなり期待していました。 相変わらず文章が読めない病で、単語はわかるんですが、文章の意味が分からない。展開がどうなっているのか、さっぱりわからないまま読んだから、ちっとも怖くなくて、よほど前に読んだ乱歩の方が「... 続きをみる
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江戸川乱歩のアンソロジーです。 文豪怪奇コレクションの第2弾です。 この本を読むのに本当に苦労しました。乱歩の文章は読みやすくて、前に読んだ漱石よりずっと女性的ですんなり入ってくるはずなのですが、なぜか文章読めない病になってしまいまして。単語はわかるんです。文章は書けるんです。音楽は入ってくるんで... 続きをみる
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文豪怪奇コレクションとして、東雅夫さんがアンソロジー的なシリーズを出しています。今持っているのは漱石と乱歩と百聞なんですが、第一弾の夏目漱石を読みました。 入ってるだろうな~と思いつつ、やっぱり夢十夜は入っていました。 散文から、小説の抜出部分まで、漱石の幻想趣味がいろいろ入っていて、バラエティに... 続きをみる
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新潮文庫で出ていたのを知らなくて、あれ、でもアッシャー家は新潮で買ったんだったっけかな、ともかく、この本の副題が「SF&ファンタジー編」だったので、ポーの時代に??それは知らなかった!!と、嬉々として購入してしまいました。 全7編。いずれも「これほんまにポーかいな」という感じの、19世紀にしては新... 続きをみる
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んーーーーー。 いろいろ期待は裏切られた感の多い本でした。 体裁としては、ニックという、ギャッツビーのお隣さんかつ親友が見たギャッツビーの生きざまみたいなものなのですが。 最初のほう、展開がのろのろしていて、よくわかりませんでした。当時のアメリカ東部の社交界(というのか?)の表現をしてみせたかった... 続きをみる
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乱歩にはまったのは若い頃なんですが、最近また乱歩熱が上がってきて、アマゾンで物色していたら遭遇したのがこの本。ゴシック文学って何だろう。ということで買って読んでみました。 中身はいろいろな人のゴシック文学的なエッセイ?評論?でした。この東さんという人はまえがきと解説しか書いていないです。 どんな人... 続きをみる
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イタリア文学です。 イタリアには近代文学が存在しない!なんて言っている人もいるようですが、この短編集を読んで、こんなに一つ一つの完成度が高く、分野もシュールレアリズムから不条理、キリスト教的物語、SF、形而上学などの様々な様相を見せてくれる様々な文学作品を読んで、イタリア文学すげーーーーーって思い... 続きをみる
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昨日、母と文学の話をしていて、「確か1920年くらいに、パリにアメリカの文学者がたくさん来て集団を作ったと大学で習ったのだけれど」と言い初めまして、S.Bという女性と、A.Mという女性が当時のパリのアメリカやその他の国の作家さん達に力を貸したという話をちらっとしてきました。母は試験対策にイニシャル... 続きをみる
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乱歩の本はいろんなところから出版されているから、どれにしようかな~ということであれこれ見てみたのですが、春陽堂が「江戸川乱歩文庫」というのを出していて、お値段も手ごろだったので、買ってみました。 文字も大きく、大変読みやすかったです。中学生くらいであれば読める文章の平易さと、内容。いや、人間の皮を... 続きをみる
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初ゴーゴリです。 ゴーゴリは1809年に生まれ1852年に没した「ロシアの写実主義」の作家と、一般的に言われているようです(と、解説にありました)。 ところがどうでしょう。全くこれはシュールレアリズムじゃないですか。「鼻」は、最初パンケーキの中から鼻が出てきて、それから視点は鼻を失った主人公に移る... 続きをみる
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誰かの作家の文章読本を読もうと思っていたのですが、文章の上手さの好みとしては三島だったので、この本を買いました。 漢字による文学(男性の文学)、仮名文字による文学(女性の文学)によって表現する内容が違っていたことは周知のとおりですが、この本はそのあたりから入っていって、二葉亭四迷以後の文学作品の文... 続きをみる
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約4か月かかって、読みました。途中挫折しそうになりましたが。 主人公が、ちょっと気分転換に3週間ほど療養に、いとこの療養しているサナトリウムに行きます。で、たいした病気でもないのですが病気が発見されて、療養所で多数の死者を見送りつつ結局7年も滞在するのです。 療養所ですから、退屈なものです。最初の... 続きをみる
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いやあーーーー難しかった。 本の帯に『「SFが読みたい!2020年度版」が選ぶ2010年代第一位ベストSF』と書いてあったので、すごく期待していました。SFは最近読んでいなかったので、久しぶりです。 短編集です。いずれも未来の地球や月面世界を書いているのだろうと思うのですが、最初の作品「皆勤の徒」... 続きをみる
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三島由紀夫が、幻想小説について何か書いたものではありません。東さんという人が、三島文学の中で幻想小説に関連のあるものをまとめたのがこの一冊です。今年7月にあとがきが書かれていることから、出版されたばかりなのでしょう。 大変面白かったです。 最初のほうは三島由紀夫の習作かと思われる幻想的な小説。幻想... 続きをみる
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長い!文庫本で6冊もある!私の歴史上、文庫本では最長です。 表紙にボッスの絵が使われていて、これは深い哲学がありそうだと思って手にしたのですが、期待してなかったけれど、まあ、それが正解でしたね。村上春樹大好きな人はごめんなさい。面白かったですけど、もっと踏み込めないのかと、あとご都合主義文学という... 続きをみる
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20世紀のロシア文学の名作です。上下巻2冊。 いやーーー痛快!面白い!深刻なテーマなんていらないで読める、ロシア文学の最高峰ですね。いやもちろん、ファウストが入っていたり、キリスト教の根源的な問題が入っていたり、プーシキンやドストエフスキーの影響もみられるので、そういう目線で読めばそれはそれで面白... 続きをみる
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上中下3冊の長編でした。 これは、ミステリーです。 話の筋書きはこうです。 ナポレオンがエジプトに攻めてきた!その時、エジプト側の人間はどうしたか。その本を読み始めると何もかも忘れて破滅に導いてしまうという「災厄の書」を献上しよう。 中級官吏みたいなアイユーブという人物が、知事クラスの人間に、これ... 続きをみる
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訳が難しすぎて、難儀しました。文章になっていないのです。主語と述語とが、明確になっていないのです。これは、へたくそな訳者のためなのか…と思っていたら、フランス語の先生は、「あの人のフランス語は独特だから難しいんだよね」と言っていました。そうか、原文が難しいからこんな読みにくい訳になるんだなと納得し... 続きをみる
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本の帯に「皆川幻想文学の最高傑作」とあったので、どんなもんかと思って読んでみました。現実と幻想が交錯する不思議な時空間の中で語られていく女性たちの姿が、各短篇におぼろげに浮かび上がってきます。時代は昭和初期くらいでしょうか、女性がまだ社会進出し始めようという時の、古い家制度の中の女性が描かれること... 続きをみる
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世界の十大文学の中の一作。 今日は長距離旅行をしたので、最近読めなかった分、しっかり読んできましたよ~。 英文科出身の人に聞いたら、「この作品はタイトルが悪い、ただのラブストーリーとして読めば面白いのに、人間観察とか難しいこと考えて読んだらつまらない」と言っていたのを思いだし、そのつもりで読みまし... 続きをみる
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なんでだろう。今日はろくに仕事しなかったから、申し訳なさでいっぱいだったのかな。なんだか、仕事をすることも、しないことも、終わって帰宅することも、すべてが申し訳ない気がして、一日、スポーツクラブまでも楽しめませんでした。 仕事は、論文を読んだり、ネットでディスプレイやグラフィックカードを調べたりと... 続きをみる
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私の興味のある昭和初期ではないですが、戦後の短編集です。日影丈吉は明治40年の生まれだそうです。 この傑作選には、民俗学的な日本の幽霊や魑魅や物の怪の香りのする短篇や、片や宇宙旅行というか、宇宙に墓参りする話、住民が半分になって死んでしまう不吉な家の話、戦時中の話、台湾の不思議な家の話、自然の森が... 続きをみる
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昨年末から世界十大文学を制覇しようと、毎日30分ずつ読書を続けてきました。 寝る前の30分…記録に残らないのでぜんぜん進まないのですが、合間にほかの世界文学を読んだりして、「ゴリオ爺さん」、「赤と黒」は読み終えて、今、「白鯨」を読んでいます。 合間に読んだのは 「ドリアン・グレイの肖像」オスカー・... 続きをみる
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タイトルのとおりです。歯医者に行ってレントゲンを撮ってよく見てみたのですが、前歯の根っこから腐ってきていてその周囲が膿んでいるということでした。今痛みがないのであれば、抵抗力がないときなどに顔を出すかもしれないけれど、今は治療をしないでこのままで行きましょう、いずれは抜歯しないといけないけれど(そ... 続きをみる
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家と職場が近いと、読書をしなくなります。 今まで私の読書時間は電車の中でした。パリで仕事していたときも、埼玉の自宅から三鷹まで片道3時間かけて通っていたときも、お台場まで片道2時間通っていたときも、読書があってかなりリフレッシュできていたし、読書しないとなんだか狭量な人間になりそうで、本をともかく... 続きをみる
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私がまさにそうなので、「フランス文学好きなんですよね?」と問われたとき、どういうのが好きなのかと聞かれたら、答えられない…。まず、私の好きな作家を知らない人なら知らない。知ってる人なら、変態扱いされる。なので、無難に「カミュとか、コクトーとか、モーパッサンの短編とか大好きです、あと、三銃士は最高で... 続きをみる