ひまわり畑を夢見るブログ

44歳の時、乳がんの診断。ステージ2。手術して抗がん剤とホルモン治療。仕事と治療の両立の生活記録を残します。

「アーサー王と円卓の騎士」サトクリフ

アーサー王伝説というのが主にイギリスを中心にして広まっています。ローマがブリテン島から引き揚げていった(西ローマはブリテン島どころではなく大変だった)5世紀ごろから南~中央ブリテン島を平定した前後に成立した騎士道物語集のようです。
本当のアーサー王伝説の完全版というのは、私は調べたのですが日本語訳では存在しなさそうです。抜粋や概要が多く、アーサー王伝説に連なる物語がすべて収められた本はないです。けれど、サトクリフオリジナルで、3冊アーサー王伝説が出ているので、サトクリフの創作ももちろん入っているだろうけれど、これを読んでみようと思って買ってしまいました。


私はいろいろ誤解してました。エクスカリバーは「アーサー王しか引き抜くことができなかった剣」ではないんですね。最初に、アーサー王しか引き抜けない剣の話が出てきて、そのあと、それが折れちゃったときに湖の妖精にもらうのがエクスカリバーなのですね。しかも、剣にも鞘にも魔力があったにもかかわらず、鞘のほうは(治癒の能力があるらしい)永遠に失われてしまい、アーサー王はエクスカリバーの剣のほうだけ持っている。


名前は聞いたことがあるけれどどんな人なのか知らなかった騎士は、ランスロット、台所の騎士、トリスタン、パーシヴァルなどで、それぞれの人物の騎士になるまでの話、騎士になってからの話が、挿話のように1章ずつ書かれていました。特に私はトリスタンとイゾルデは何度も演奏する割にはそのストーリーを知らなかったのですが、読んでみると結構複雑で、純愛と、親切と、許しとから成り立っている話だということを初めて知りました。ワーグナーのトリスタンとイゾルデの弦楽器のこの上ない美しい楽曲はここから生まれてきたんだなと(劇的に難しいのですが)。


ランスロットの子ガラハットはまだ子供の状態ですが、2冊目、3冊目で出てきてくれることでしょう。なんかみんな名前はどこかで聞いたことがあるんですよね。
全体的にアーサー王が活躍したのは最初のほんの1,2章くらいで、あとは円卓の騎士の物語です。円卓の騎士というから、丸いテーブルに10人くらい騎士が座るんだなあと思っていたら、なんと150人座れる巨大な円卓なのだそうだ。それが、アーサー王の嫁さんが嫁入り道具に持ってきたものなのだそうです。


最初のほうにちょっとだけ出てきたマリーンという魔術師はちょっとケルトやドルイドの雰囲気を持っています。それからちょこちょこ出てくる黒い小さい人々は、ケルトの土着の人々だったんじゃないかとも思ったりします。金髪碧眼の民族はサクソン人とかデーン人で、このころはまだブリテン島では少数派ではなかったでしょうか。


イギリスの歴史も知りたくなりました。イギリス先史が知りたいですね。いつ頃から人類が現れて、それはどういう人たちで、どんな文化を持っていたか。


本自体は読みやすく易しく書かれているのですが、自然描写や行動描写が細かくて、なんというか、メリハリがなく、ちょっと退屈してしまいましたが、トリスタンの物語くらいから一気に進み、一冊読み終えた感じです。


まだアーサー王の円卓の騎士の時代です。これからどうなるやら。続きは水木しげるを読んでからです。9月中に読めるかなあ…。頑張ろう。


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