ひまわり畑を夢見るブログ

44歳の時、乳がんの診断。ステージ2。手術して抗がん剤とホルモン治療。仕事と治療の両立の生活記録を残します。

「水木しげる漫画大全集・神秘家列伝」水木しげる

上中下の3冊で、1冊の厚さが3センチくらいあるというヘビーな漫画でした。


古今東西の神秘家列伝マニアの私が、知らない人が結構いたのでびっくりです。
図が素晴らしく、背景描写など多分ご本人が書かれたものではないかもしれませんが、細部にわたって掻きこまれていて、圧巻でしたね。人物の描写も素晴らしい。水木しげる的なデフォルメ人物も面白かったけれど、リアリティあふれる人物描写も素晴らしかったです。
読むのに手が疲れた…。全3巻じゃなくて全5巻くらいにしてくれて、もうちょっとうすくしてくれた方がよかったかな。


私が神秘家調査を始めたのは、高校生くらいでしょうか、家を飛び出してパンクバンドをやっていたころに、パンクバンドの仲間でなんか怪しいことやっている人がいたんですよ。我を忘れて神がかり的になってしまう人がいたりして、ほほう、これは面白い、と思って、そのあたりから神がかり的なことに興味を持ち(もちろん私はカトリックの人間ですから、そこらへんの怪しげな新興宗教には引っかかりませんが)、日本古来の神様とか超人的な空海とか、海外のエクソシストとか(エクソシストという職業は存在します、カトリック教会の公認です)、ちょっと科学では説明できないことに興味を持つようになりました。


もともと幻想的なことに興味があったというのもあって、最初は澁澤龍彦から入って、荒俣宏さんにいきあたって、中国の神仙思想とか、ヨーロッパの黒魔術、白魔術とか、世界各地のいろんな伝説とか、伊沢日本史とか、そういうことに興味を持っていたのですが、オカルト趣味というよりは、雑学としていろんなところに足を突っ込んで放っておいたら自分の趣味が形成されていたわけです。私の悪い癖で、そういう面白いことを、伝聞で面白がるよりは、原著に戻って確認したい、という気持ちが強く、そういう理由から我が家には歴史的な本がたくさんあるのです。


途中でヴァイオリンに出会わなかったら、私は多分今頃古今東西の神秘家列伝マニアとしてものする人になっていたかもしれません。


そんな私の好奇心を十分に満たしてくれた今回の作品に感謝です。私の知らない人もたくさんいましたけれど、時間が出来たら改めて調べてみたいと思っていた平田篤胤とか、明恵上人とか、視覚的に、感覚的に、理解することができたので、私にとってはとても得るものがありました。あとガラッと印象が変わったのは円了ですかね…妖怪博士だとばかり思っていましたが、そういうものを否定するために一所懸命調査してたんですね。


今、私はお化けや幽霊とかは信じられなくなってしまいましたが(父の死がきっかけです、人間の脳は酸素がいかなくなったら個性も人格も何もかもなくなるんです、失くなった状態をずっと見続けていたら、幽霊なんてありえない、こちら側の問題だと思うようになりました)、神様はいると思っているし、論理的に説明できない物事があることも理解しています。出会ったことは、まあ、あまり、ありません。でも否定はしません。非科学的なこともまあいいでしょう。
そういうことを一方的に否定したり、誰かの思想に乗っかって(つまり宗教や団体を作って)信者を増やして思考力を落としたりするようなことは、私はしないだけです。


自分のことばっかりになっちゃいましたが、収蔵されている作品を列挙してみましょう。
上:
 スウェーデンボルグ
 ミラレパ
 マカンダル
 明恵
 安倍晴明
 長南年恵
中:
 コナン・ドイル
 宮武外骨
 出口王仁三郎
 役小角
 井上円了
下:
 仙台四郎
 天狗小僧寅吉
 駿府の安鶴
 柳田国男
 泉鏡花
 平田篤胤


あらためて読んでみて、すごい人っていうのは、私みたいに怠けたり、やりたくないよ~と逃げ出したり、些細なことは別にどうでもよかったりする人とは対極的なんだなと思ったりしました。徹底して勉強し、調査し、行動してこそ、例えば柳田国男や井上円了やコナンドイルが出来上がるんだろうなと思ったりします。この人たちは神秘家というより学者だと思いますが、すごい学者になるには、何か一つのことに命がけにならないといけないんだなと。


鈴木大拙や福来博士も入ってたら面白かったかも。


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