ひまわり畑を夢見るブログ

44歳の時、乳がんの診断。ステージ2。手術して抗がん剤とホルモン治療。仕事と治療の両立の生活記録を残します。

「グレート・ギャッツビー」フィッツジェラルド

んーーーーー。


いろいろ期待は裏切られた感の多い本でした。
体裁としては、ニックという、ギャッツビーのお隣さんかつ親友が見たギャッツビーの生きざまみたいなものなのですが。
最初のほう、展開がのろのろしていて、よくわかりませんでした。当時のアメリカ東部の社交界(というのか?)の表現をしてみせたかったんでしょうか、中西部出身のニックが見た、第一次大戦後のアメリカの特に東部の栄華を描きたかったんでしょうか、わかりませんが、いっぱい友達が出てきて、お付き合いがあって、その中の一人がギャッツビーでした。お隣さんにして親友。豪邸に住んでいて豪華な生活をしている青年。


ギャッツビーはいろいろ問題を引き起こすんですが、どこをどう読んでも彼が死んでしまったいきさつが書かれていない。前後関係から推測するに、彼と、トムの妻であるディズィが仲良くしている(結婚すると言い張った)ことを根に持ったトムが、ディズィの起こした交通事故で死んでしまった女性の夫に、ギャッツビーがやったと告げ口して、この夫に殺させた…という風な予測がつくのですが、そう思えるような記述もありません。状況的にそういう判断ができるだけで、どこにもギャッツビーの死については書かれていないんです。女性の夫の死については書かれていますが、それが銃声一発であったなら、ギャッツビーはどうして死んでしまったんだろう??


ギャッツビーという人、彼がなぜグレートなのか、これも判然としません。社交界ではいろいろうわさがあり、人を殺したことがあるとかささやかれていたのですが、実のところは第一次大戦で手柄を上げて少佐までに上り詰めて財を成した、いわゆる成金と書かれています。そういう人たちが、当時はいたのでしょう。そしてニックの家の隣のお屋敷に住んでいたのです。彼らは彼らなりの友情を貫いて、ニックはギャッツビーを送り出す際にディズィにも連絡しましたが、返答はありません。そりゃそうでしょ、ディズィの夫のトムが、すべてその辺のことを知っている黒幕なわけですから。自分の奥さんを、浮気相手の葬式に行かせるわけがないでしょう。


新潮社文庫の翻訳が読みにくかったです。時間関係がわからない。具体的な数字が書かれていても、それがどの日の何時なのかがわからない。何度も何度もページをめくりなおして確認して、何とか理解できた感じでした。もっといい訳があったら読んでみてもいいかもしれませんが、私にとってはそれほど魅力的な話ではなかったので、まあ、教養のためにフィッツジェラルドを読んだ、それだけです。


文字が大きく、本も薄いので、ちょっと読んでみたい人にはお勧めです。第一次大戦後のアメリカ社会が垣間見えます。本の紹介には「滅びゆくものの美しさと青春の憂愁を華やかに謳いあげる世界文学の最高峰」と書いてありますが、私はそこについては大変疑問を持っております。エベレストではないですね、K2でもないですね。モンブランでもないですね。アパラチア山脈くらいですかね…。


誰か私にこの本の面白さを教えてください~~!

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