ひまわり畑を夢見るブログ

44歳の時、乳がんの診断。ステージ2。手術して抗がん剤とホルモン治療。仕事と治療の両立の生活記録を残します。

春宵十話

やっと論文が投稿できるところまで来たんですが、共著者の先生方の署名をいただかないといけなかったことにいまさら気が付きました。完成原稿を添付して「サインください」メールを先生方に書き送り、ちょっと休憩。


水曜日に、今までネットで家庭教師をしていた海外の教え子が帰国するので、一緒に食事をすることになっています。なかなか優秀な生徒さんで、ほぼオールスコアでオックス・ブリッヂ狙えるレベルでした。結果はだめだったのですが、それでもなかなかいけるもんじゃないレベルのイギリスの大学に決まってくれてよかったと思っています。
しかも理科系を希望していた学生さんだったので、理科系の私としてもいろいろ話が通じて教えていて面白かったです。文系の生徒さんには話を噛み砕いて説明しなきゃいけないんですが、数学用語や物理用語を使って良いならそんな楽なことはないです。


その生徒さんにプレゼントする本は、「春宵十話」に決めていました。
数学者の岡潔先生が書かれた本です。この本には私が高校生のときに初めて出会いました。西洋的合理主義の反対をいこうとするかのごとく、西洋的数学を学んだ作者が情緒を重んじるという教育論が、なんだかものすごくしっくりくるし、そのとおりだと心から思えたのです。当時、教育について感じておられた危機感を、今の私たちも同様に感じることが出来、岡先生の危惧されたことが実際起こっている。そういう意味では未来を見越した預言書ということもいえると思います。最近再版されたそうなので、海外の大学に通うことになっても、日本人としての情緒を忘れないよう、ぜひもっていて欲しい一冊として贈ろうと思います。


情操とは異なる、「情緒」。モノに多様に感応する能力。今世界的に流行している「KAWAII」も平安時代から記録に残っている情緒のひとつです。
エスプリに似てるかな…。情緒って外国人には説明しにくいですね。


↓仕事も治療もうまく行きますよう、応援してくださいませ。

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