ひまわり畑を夢見るブログ

44歳の時、乳がんの診断。ステージ2。手術して抗がん剤とホルモン治療。仕事と治療の両立の生活記録を残します。

アニメ「暗殺教室」

これは面白い!殺せんせーの言うこと、いちいち含蓄があって、親身になってくれて、中学生の時にあんな先生に出会っていたら、私もまともになれただろうなと思ったりします。


ある日、月を半壊した破壊生物が、ある中学校の落ちこぼれクラス3-Eの教師になります。防衛相からクラスメート全員に、その破壊生物=殺せんせーの暗殺を命じます。暗殺を達成したものには100億円の褒美が出るとのこと。もちろん防衛相の偉い人が名目上クラス担任になりますが、実際はその破壊生物ー1年後に地球を破壊すると予告するその黄色いタコのような風貌の殺せんせーが授業を受け持ちます。


3-Eの生徒たちは防衛相の担任から暗殺技術を学びます。隔離された校舎の周囲の自然を利用し、銃の使い方、ナイフの使い方、いろいろ教わります。が、なかなか殺せんせーは殺せません。殺せんせーの反射神経はものすごく、飛行速度もマッハ20.触手がいっぱい出てあらゆることができて、暗殺のことも詳しく知っていました。授業は殺せんせーがすべて受け持ち、暗殺の授業だけはからすま先生が受け持っていました。


正体がわかるまでは、生徒たちがいかに殺せんせーを殺すかということに焦点が当てられています。殺し屋がたくさん投入されます。殺せんせーはそのくらいでは死にません。殺せんせーは時々マッハ20の飛行速度を利用してハワイに映画を見に行ったりもします。ちょっとお茶目で段取りが悪くあたふたしている人間らしい殺せんせーは、元は人間だったのです。それも、死神と呼ばれた、世界一の殺し屋。
なので、生徒たちの暗殺などは大したことがないわけです。


どういう経過をたどるかということは、ネタバレなのであまり書きませんが、一人の生徒の姉という人物が、殺せんせーが人間だった時代、モルモットとして研究所で触手実験の餌食にされていた時に近づきます。その姉は2週間だけ3-Eの担任をしていたことがある、とても性格の良い女性で、殺せんせーのせいで命を落としてしまいます。妹は復讐すべく自分に触手の種を植えて触手を操れるようになり、殺せんせーを殺そうとします。そこで真実が明かされるわけですが、自分を殺そうとした妹である生徒すら生徒として殺せんせーは守ります。


いろいろあって、殺せんせーは、暗殺教室の皆さんに殺されます。
欠点がいろいろあって、その一つ、殺せんせーは力がそんなにないので、クラス全員で押さえつけられたら逃げられないのです。そこで対殺せんせー用BB弾か対殺せんせー用ナイフで心臓を一突きすれば死んでしまいます。そんなヒントも前々に与えてありました。
生徒全員に取り押さえられ、最後に、静かに、全員の出席を取ります。
アサシンとして一番成長した渚君が、殺せんせーのとどめを刺します。


殺されない選択肢もあったのです。殺せんせーは放っておいても3月に自爆し、それは地球を巻き込むことにもなるだろうと言っていましたが、研究の結果、その可能性が1%程度しかないことが判明。つまり、殺せんせーは皆と生きる道もあったのです。ですが、殺せんせーが殺しを教え、教室の皆は殺せんせーから、からすまから、殺しを教わり、殺せんせーを殺す目的のためにあらゆることをしてきたために、生徒全員の総意で、殺すことになります。目的を達成すること、それが殺せんせーの教えだったからです。


ふわりと、黄色い物質が散り散りになって空に登っていきます。おちゃらけていて、時々含蓄の深いことを言う殺せんせーは、こうやって教え子たちによって天に召されていきます。


何て悲しい終わり方。だけれど、とても楽しかった。4クール2シーズンで多分1年間くらいの放送だったと思いますが、毎週見ていたら、本当に感情移入してしまいそうで、怖いくらいに、素敵な話でした。にゅるふふふという殺せんせーの笑い方も忘れられません。


生徒一人一人にフォーカスが当てられていて、個性の設定がしっかりしていて、モブキャラが一人もいない学園ドラマです。中学3年生だから、進路のことや、勉強のことなど盛りだくさんですが、中学3年生という多感な時期に、良い教育者に出会うことで人生が変わりそうだなと思ったりします。


自分は中学生の時はできの悪い中学生で、不良ちゃんたちの面倒見役をしていました。パシリというわけではなく、不良ちゃんたちが先生と問題を起こすと間に入って意見を聞く係をやっていました。不良ちゃんたちが勉強で落ちこぼれになりそうな時に勉強を教えたりもしていました。でも私自身は出来が悪い中学生で、大人の世話になろうとはしなかったのです。先生の世話になるとか、親の世話になるとか、そういうことを否定して生きていました。だから不良ちゃんたちと親和性があったんだと思います。


高校になってもいい先生に出会えず。高校はやめてしまおうと思って就職まで決めてきたのですが、おばあちゃんの遺言で、高校だけは卒業するようにと言われ、何とか高校を卒業しました。まともに通ってませんでしたが。
たった一人、いい先生がいましたね。事実を事実として伝える力がある先生。高校の物理の先生なんですが、不良ちゃんたちにも、お前らおかしい、と面と向かって言えるまっすぐな先生で。私はその先生に物理を教えてもらったおかげで、「努力しなくても勉強はできる」ということを教わり(物理って法則を3つくらい覚えていれば全て解けます、数学に至っては覚えることがありません)、面倒くさがりの私が理数系に進むきっかけを作ってくれました。


多感だった中学生のころに私が出会ったのはロック、パンク、本でした。反骨が私が中学で見つけたものです。いい大人に出会えなかったから、私が先生をやっていた時は、それぞれの生徒が自分で何かを見つけられるように、同じ目線で、同じものを見ようと努力しました。そういう教え方がよかったのかどうかわかりませんが、全員かわいい教え子として受け入れて、生徒たちは受け入れられているという気分を味わってくれていたと思います。私が味わえなかった、受け入れられるという安心感。
殺せんせーは全員を受け入れていました。不良っぽい子もいれば、個性的すぎる子もいれば、平凡な子もいた。全員を平等に受け入れていました。そんな先生に、私は出会いたかったです。


面白いけれど長いので、時間がたっぷりあるときにご鑑賞ください。アマゾンプライムで見られます。

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