「獄門島」横溝正史
いやー面白かった!
金田一耕助シリーズの2作目だそうです。それを知っていたら、1作目から買ったのに。ちょくちょく1作目のことが出てくるので、1作目を読みたい気持ちでいっぱいです。
時代は戦後直後、昭和21年。金田一の親友は復員途中に妙な遺言を残して死んでしまうのですが、その遺言というのは、自分が死んだら、島に残された自分の3人の妹が殺されてしまうから、獄門島へ行ってくれとのことだったのです。
ということでやってきた金田一耕助でありますが。島へ行く途中でお寺の和尚さんに出会ったり、戦友のいとこが無事であることを知ったりします。
それが、すべての事件の始まりになりました。
いわば、金田一耕助が事件を引き起こしたと言ってもいいのです。
3人の妹は殺されてしまうんですが、それもいろいろ趣向を凝らして、わかる人にしかわからない殺し方。島の閉鎖性、もともと島流しされた人の子孫だったり、海賊の子孫だったりの存在する閉鎖的な島で繰り広げられる人間関係と言い伝えと、戦前の日本の民俗…ちょっと客観的なことを言える人も一人くらいはいますが、まったく恐ろしい、もともとこうなることがわかって引き起こされた殺人だったのです。
狂人も出てきますし、言ってみれば島の人はもれなく狂人なのですが、たまにはまともな人がいたり、古い日本のしきたりを守っている人たちも出てきますし、大きなお寺の釣り鐘が歩いたりもします。
私も途中で犯人はこの人かな?と思いながら読んでいきましたが、どんでん返し、ええええ???という人が犯人でした。それも、そうせざるを得ない理由、整合性の取れた理由と手段だったんです。
登場人物の関係が複雑で、トリックがありますが、よくよく読み返せば正解は最初に書いてあるじゃないですか。
あーやられたー。
ということでとっても楽しく読ませていただきました。こんな面白い探偵小説ならもっと読みたいです。横溝正史は映画では見たことがありましたが、文章は読みやすいし、キャラクターも引き立っているしで、読むものとしても本当に楽しめます。
これは1作目「本陣殺人事件」を読まねば!
お勧め本です。
帰宅したら熱がありました。朝シャワーに入ることにして今日はもう寝ます。
お休みやす~。