ひまわり畑を夢見るブログ

44歳の時、乳がんの診断。ステージ2。手術して抗がん剤とホルモン治療。仕事と治療の両立の生活記録を残します。

プレイエルとエラール

これは、フランスのピアノメーカーです。
今日のルパン三世で出てきたので。懐かしくなって書きました。


うちの姉はピアノ弾きなんですが、どっちもけちょんけちょんに言いますね。ベヒシュタインがいいんだといって、これらフランスピアノを、コシがないとか、ハンマーが弱いとか、表現の幅が小さいとか、さんざんに言います。


姉はドイツでロシア人の先生について習ったことがあるので、ガンガン弾くタイプのほうが似合っているのかもしれません。まあでも得意分野はモーツアルトで、姉はモーツアルト的な才能の持ち主でした。ですが、なんというか、貪欲さがない。練習するのがカッコ悪いと思っていた節があります。なので、音大付属高校に入ってから全然練習しなくなります。


まあ話はそれましたが、フランスピアノの良さは、フランスに行ってみないとわかりません。私は3つ音楽学校に行っていますが、一番長くいたパリ・エコルノルマルでは、さまざまなピアノを弾きました。日本みたいにスタインウェイ&ヤマハ至上主義はなかったし、さまざまなピアノで表現できた方がいいという考え方です。ピアノ科のレッスンでも、グランドピアノを使わず、アップライトでもしっかり響かせる練習をしました。
イベールの家のピアノはプレイエルだったと思います。案外とベートーヴェンの初期が似合っていました。室内コンサートによく似合う、みんなソファーでゆったり音楽を聴けるような雰囲気と、音の響きが、素晴らしかったです。サロンコンサートというのはこういう発展の仕方をしたんだろうなと思います。


それでですね。日本人の多くのピアノ弾きのやるような、あのガンガン鳴らす弾き方が私は好きではありません。やっぱり、紙と木の文化だから、いくら音を出しても音を吸収するんですね、だからガンガンやってしまう。


パリにいってごらんなさい、そんな必要はないのです。そっと、さらっと、ぽんと音を出して、それが石や石膏の壁に反響して自分に帰ってくるのを、じわっと聞き入る、それが響きなんです。それが多重散乱して、例えばラヴェルのような不思議な響きをよりいっそう不思議な色にするんです。3度や6度のピアノ独特の不協和音がよく聞こえるんです。


日本人の多くは誤解していて、そういう音の多重散乱をよしとせず、音を吸収する素材で防音室を作ります。ピアノの生の音が聞こえるからっていう理屈です。ヤマハのアビテックスとかね、もうあの中入ってると、耳の中に寄生虫が入り込んだ気分になりますよ。


私も現地に行ってピアノを弾くまで、ガンガン弾いてました。ショパンとか、超ガンガン弾いていました。いや違うんです~ショパンはフォルテとか気にしちゃいけないし、ペダルもあまり使わないほうがきれいなんです~~~。


f(フォルテ)は、「大きな音」、p(ピアノ)は「小さな音」って習いますが、これも日本人の誤解です。正しくは「強い音」と「弱い音」です。音量ではないのです。タッチなんです。結果的に大きくなろうが小さくなろうが関係なく、その部屋やホールでの響き方が「強い響き」なのか「弱い響き」なのか、それが問題なんですよね。
あと、スタカート記号、これも大きな誤解です。これこそまさにタッチというか、奏法ですね。何もついていなければ堂々と出していい、スタカートがついていれば、レジェです。大音量のスタカートは楽譜的にはあっても原理的にはありません。


まあそういうわけで、プレイエルもエラールも、ガンガンになりません。あれでラフマニノフは弾けません。ベヒシュタインやベーゼンやスタインウェイほど、音の強弱の幅は大きくありません。ドイツ人やアメリカ人は同じ石の文化でも、サロンじゃなくてホールの文化の中で発達してきたピアノなんだろうと思います。でも、プレイエルやエラールはサロンのピアノ、それほど大きな音を出さないで、紅茶でも飲んでおしゃべりしながら聞けるピアノ、そういうものなんだと思います。


いろいろ弾きました。ホフマンとか、ペトロフとか、ファツィオリとか、ザウターとか(姉がザウターのグランドを持っています)、エラールは歴史的ピアノが多いので、ちゃんとしたのは弾いたことないんですが。


あと、音楽学校に、コルトーが弾いたピアノがあって(録音にも使われました)、大きさ的にはコンサートグランドなんですが、素敵なシャンデリアのサロンにおいてあって、今でも音楽理論の授業に使われていたり、コンサートをやったりしました。あーこれコルトーが触ったんだ~!ってちょっと感動しましたね。

これはピアノができる前の時代のピアノです。
エラールはこんな感じの四角いピアノを作っていました。1700年代です。エラールのグランドピアノは、ちょっとかくかくしています。それはこの時の四角いピアノの影響なのではないかと思います。


ヤマハとかカワイもいいですよ。パリではカワイピアノのほうが広まっていましたね。たぶんカワイのほうがちょっと安いからでしょう。日本の建築物にはヤマハがあっていると思います。私はスクリャービンが好きですが、こればかりはプレイエルでやってしまったら音の氾濫になってしまいまして、ヤマハピアノのほうがあっているんですね。


私は個人的にはフランスピアノは好きですが、フランス音楽をやるならフランスピアノっていう感じで使いたいので、お金持ちになったら、石膏の壁の部屋を3つくらい作って、フランス曲用、ドイツ古典派用、スクリャービン用というふうに使い分けたいです。土地はあるので、あとは部屋を作るだけですね!

今日のルパン三世はちょっと難しかったけど、聞きかじりの知識で作ってる感満載でした。AIとか、シンギュラリティとか、EMP攻撃とか…。

私もAIの勉強中です。あんなもん、人がちょっとデータをいじれば、いくらでも好きな結果が得られるんですからね、結果が独り歩きして危険危険。

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