ひまわり畑を夢見るブログ

44歳の時、乳がんの診断。ステージ2。手術して抗がん剤とホルモン治療。仕事と治療の両立の生活記録を残します。

「デビルマン」永井豪

ブロ友さんにすすめられとっさに買ってしまった漫画です。昨日注文して、今読み終わりました。


テレビと全然ちゃうやん!!
というのが最初の入り口でしたが、その内容の端々に出てくる「象徴性」の多様には驚かされるものがいっぱいありました。表立って出てこないテーマ、つまり小道具的なものなのに、この作者が、人類に対して思うこと、社会に対して思うことなどが伝わってきました。いちいち挙げていると論文が一つ書けるくらいの象徴主義者なのだなと思ったりしました。すごく物知りなんだなと。


何よりその画力が素晴らしいですね。筆致は最近の漫画家さんの方が正確だけれど、画力が、全然違いますね、迫力が全然違います。私こんなすごい画力の漫画家さんって、みたことないわ。力強い、繊細、幅が広い~音楽家でもたまにこういう幅広い人いますが、私も人間的にこれだけ幅広い人になれたらなあと思ってしまいました。


人間の集団心理を利用した「魔女狩り」によって、悪魔は苦労することなく人間を滅びの道に押しやってしまったのだけれど、これも私が今年に入って研究しだした魔女狩りの話にリンクしていてとても興味深く読めました。ジャンヌ・ダルクが出てきましたが、彼女の時代は魔女狩りというよりは「異端審問」が主流で、本当のところは「神の声を聴いたと言って民衆を惑わしたこと」が彼女の罪なのです。ですがその後世間を席巻した魔女狩りと結果的には同じこと、皆と同じでないことは恐怖心をおこさせ、それがとんでもない悲劇を引き起こします。


悪魔や魔女というのは人間が定義したものであって、恐怖心を何かになすりつけた結果でしかないんですよね。


もちろん、人間が悪魔を作ったんですけどね。それは今のアブラハムの宗教の世界観では、悪魔は堕天使であって、神の名のもとに、悪魔が活躍できているんですけど。でも、人間の根源的な恐怖心、例えば暗闇とか、山や川、獣や病気、そういう、神がかったものが、悪魔化していったと思うと、人間の想像力の中には、まさに人間の歴史以前のデーモンに関する情報がDNAレベルで脈々と記憶されているのでしょうね。


情報に弱い事、人とつながらないことが現代人の恐怖心の一つになるのではないかと思ったりしています。皆スマホにとても熱心ですよね。情報混乱が起きたら、地獄絵図になることも、ありえないことではないかもしれません。


情報、なくても案外生きていけますよ?
私なんか超怖がりですが、根源的な恐怖心というのは、それほどありません。一番怖いのは、人間の集団心理だとは常々思っています。だからそれに反しないことはやっていこうと心がけていますが、多分、人間社会が続く限り、さらに情報化社会で人間がいろいろなものに縛られていく限り、今後も集団心理は人類文明の足を引っ張るでしょうね。


考えさせられるところの多い漫画でした。一気に読んでしまった。かなり心にダメージを食らったので、しばらく立ち直れないかもしれない。でも立ち直ったらもう一度冷静に読み直してみようと思います。


にほんブログ村 ダイエットブログへ

にほんブログ村 病気ブログ 乳がんへ

×

非ログインユーザーとして返信する