ひまわり畑を夢見るブログ

44歳の時、乳がんの診断。ステージ2。手術して抗がん剤とホルモン治療。仕事と治療の両立の生活記録を残します。

ショパンの蘊蓄?ピアノの蘊蓄?何かわからないけど蘊蓄。

仕事の裏でショパンコンクールの2ndStageを聞いていましたが、途中見たりもしていましたが、そのせいか、ネットワークがよく切れました。職場のネットワークにつながりにくい。そんな柔いネットワークなんでしょうか。まあ、計算走らせて、あとはデータチェックだけだったので仕事はそんなに大変ではなかったんですが。


まあでも、本当に思うのは、フィジカルって大事だなと思うのです。
細い女性がバンバン弾くというシーンがないわけではないですが、やっぱり音が良くて、表現が豊かなのは体格がいい男性。手も大きいから苦労しないし、腕も長いから音が飛んでも間違えることはない。指が長いから細かいところもうまく弾けてる。


対して、細い女性はすごくいろいろな工夫をして、歌いこんで、表現を工夫して、頑張っているように見えました。


中には、どっしりとした、腕の太い、骨太な女性がいて、いい音出してましたけど、それは恵まれている人だと思います。


私は骨も腕も指も細くて手が小さい方です。どう力を抜いても大きな音が出せません。ピアノの生の音が聞こえる程度の、腕の重さだけで出す音なので、ポロポロしています。音色は今の先生からも、前の先生からも、先日のコンサートグレードの審査員からも、褒めていただきましたが、それは完全に力が抜けているからだと思います。その境地に達するまでに、ずいぶん苦労しました。何せ手が小さくて骨が細いから、大きな音を出すために、重く体重かけて弾かないといけないと思ってたんです。正解は真逆にありましたね。あと、音が綺麗になった秘密は、やっぱりヨーロッパで本物の生音をたくさん聞いてきたからだというのもあります。ヴァイオリンでも、お世辞かもしれないけれど音が綺麗だとよく言われるので、多分技術的な問題じゃなくて、耳がどういう音を求めているか、それによって出す音が変わってきているんだと思います。


本当にね、クラシック音楽やりたいなら、ヨーロッパに行ったほうがいいです。何もかも、日本で一般的に教わることとは違っているんです。木と紙の建築文化の日本では味わえない、入れ物(部屋)ごと楽器であるという状況が、よくわかります。出す音が大事なのではなく、出てくる音が大事なんです。音を出すのが大事なのではなく、音を聞くのが大事なんですね。そこのところ、どうしても聞いているとヨーロッパを知ってそうな人とそうでなさそうな人の差が出てきます。


あとショパンはとても数学的なので、きれいな旋律だけにとらわれていると、その裏にある大きな数値計算の仕掛けに騙されてしまいます。響きとその移り変わりを良く把握していないと、全体の流れを作り出せません。音楽がぶつ切りになります。さすがに、セカンドステージまで来る人でそれがわからない人はいないと思いますが、ショパンが弾いていたピアノはもっと違うもので、音量の幅も表現の幅も小さかったから、ショパンは作曲の段階でいろんな小細工をしています。楽譜を見ながら聴いていると(仕事は…?)これは当時の楽器がああいう楽器だから必要な音なんだろうなとか、いろいろ思うところはあります。


ヴァイオリンだとあの淡い音は出せないですからね。ヴァイオリンは純正率楽器だから、3度は基本分数音で調和します。不協和音にならないんです。ショパンの3度は、不協和音だからきれいなんです。あれが響きがクリアーになってしまったら、あの淡い音は出せません。


あと、コンクール聞いていて思うのは、ポーランド語の響きがショパンの曲にかなり影響を与えているんだなということです。基本的に会場の案内と広告はポーランド語なんですが、ポーランド人はその言葉の発音でマズルカとかポロネーズを弾きます。ああこれか…フランス人が弾くとなよなよしちゃうのは、これなのかと、よく理解できました。


ちなみにショパンコンクールにほとんどフランス人は出ていないんですが、フランスではショパンの教育がものすごく熱心で、独特です。ショパンはフランス人だと言い切っているくらい、熱を入れています。試験でショパンを弾こうものなら、超厳しい評価になってしまいます。なのにショパンコンクールにフランス人が出ていないのは、なんでなんでしょうね。よくわかりません。


あとコンクールで面白かったのは、ピアノをセッティングする3人の男性ですかね。
コンサートグランドですから、かなり大きなピアノです。奏者によって使うピアノが違うので、ステージの端にピアノが何台かおかれています。奏者が交代すると、さっと3人の力のありそうな男性が出てきて、たった3人でピアノを動かして、ピッタリの場所に1センチの誤差もなくセッティングして、たった一人で大きなコンサートグランドの蓋を上げちゃうんです。近所のスタジオのそこそこのサイズのスタインウェイの蓋ですら私は上げられないのに、この担当の3人は軽々と蓋を上げてました。すごい立役者だと思うんですが、インタビューとかあったら面白かったのに。ピアノのこと知っていないとできないことだし、その上で力があるわけですからね。


今日の午後のセッションでセカンドステージはおしまいです。皆さんいい演奏されていました。サードステージに行きそうな人の名前をピックアップしているので、サードステージもちゃんと見ようと思います。

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