ひまわり畑を夢見るブログ

44歳の時、乳がんの診断。ステージ2。手術して抗がん剤とホルモン治療。仕事と治療の両立の生活記録を残します。

本当はヴァイオリンが大好きなんです

私は常に頭の中に音楽が流れています。自分の力ではどうにもならない、壊れかけのレコードのように、好き勝手に音楽が流れています。


ちょっとでも聴いた曲だったらその先が続けられるし、音の一つ一つが全部楽譜に起こせるくらい明確に記憶しています。ポリフォニーだろうが、オーケストラだろうが、皆同じです。


音楽は楽譜が読めないとわかったふりしちゃだめですよ。ふり、でもいいから楽譜を読んでください。なんの楽譜を使っているかは、本当はCDに明記してほしいくらい重要です。音が取れなくても理解できてるなんて信じられない。音が分かって初めて作曲者や演奏者が伝えたいことが分かるのですよ。


例えばヴィオラ科の人が良く弾くシューベルトのアルペジオーネソナタ。これはチェロでもよく演奏されるのですが、私の頭の中では、ヴィオラ版とチェロ版が別々に入っていて、それが時と場合によってどちらかが頭の中に流れてきます。


そういうわけで、常に音楽とともにあるので、いちいちCDを聴かなくても十分です。聞いてすぐに覚えられるというのが一つの理由になっていると思います。一人一人の演奏のニュアンスも克明に思い出して頭の中で再現することができます。


それが、その時に手も一緒に動くのですが。
その手の形が、たとえピアノソナタであっても、すべてヴァイオリン・ヴィオラの指の順番で、左手だけが動くのです。


ああ私はやっぱりヴァイオリンが好きなんだなと。自分の音楽の成分はヴァイオリンを通してできているんだなと。


最近全然弾いてませんが、手は動きたくて動きたくてしょうがないようです。
音が入ってくれば自然に手も動きます。


人生の大半を弦楽器とともに暮らしてきたから、それは仕方のないことですし、音楽を覚えるときにひょっとしたら手の形も関連して覚えているのかもしれません。
たまには弾いてあげないと。
楽器にも良くないです。


でも、あまり弾きたくない理由もあるのです。
うちの楽器、安いから、音が出ないんですよね。もっとここをこうしたい、と思うのですが、楽器が追いついていない。特に高い音が出ないです。時代的に仕方がないのだそうです。どんな弦を張っても、これ以上は無理というラインがあります。


いい楽器が欲しいとは思うのですが、楽器探しが大変です。それに、ヴァイオリンはピアノとは桁違いに高いのです。

楽器ははまると抜けられない深い世界なので、語りだしたらきりがないのですが、また弓についても語りつくせないくらいこだわりがありますが、なんにせよ、弾いて生かしてあげないとしょうがないですね。いい楽器を目指そうと思ったら、世界中を探し回る諸費用も含まれて数十億の世界です。そもそもいい楽器というのはすでに所有者が固定されていて、これから入手するのは難しいのです。


ストラドだって数億円規模のものが個人所有になっていて、もっとレベルの高いものは博物館か財団が所有しているのではないかな。


うちの楽器も見る人が見ればわかっていただける楽器なのですが、もう私の代でおしまいです。楽器は古ければ古いほどいいわけではなく、寿命があって、うちの楽器はもう100年は持たないと思います。私が死んだら博物館に預けてくれるよう周りには言ってあります。


高い音でもよく鳴り響くモダンイタリーが欲しい…でもそれは今は考えない。今は仕事を第一に考えましょう。


仕事が一番なんて、寂しい生活だなあ…。

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