ひまわり畑を夢見るブログ

44歳の時、乳がんの診断。ステージ2。手術して抗がん剤とホルモン治療。仕事と治療の両立の生活記録を残します。

フランス語に行ってきました

今日は2時間も授業を取ってしまいました。
珍しく生徒さんが2人いて、いろんな話題が広がりまして、何の話をしたのかよく覚えていません。初めての生徒さんだったので自己紹介をしつつ、先生がそこに横やりを入れつつ、なんだかいろいろ進んでいきました。
家庭教師のことをTuteur/Tutericeというのだそうですが、これは日本独特のビジネスだと言っていましたね。フランスでは家庭教師というのは雇わないのだそうです。予備校はありますが、家庭に入って個別で教えることはないらしいです。でも歴史的にいうと、住み込みの家庭教師がいた時代も革命まではあったと思います。貴族限定ですが。時々革命前の文学作品にそういう立場の人が出てきます。イギリスやアメリカでも住み込みの家庭教師というのは上流階級ではあったと思うのですが…。
ロックバンドの話とかも盛り上がりましたが私がついていけず。ショパンコンクールの話をして、フランスではショパン教育がとても熱心なのに、ショパンコンクールにはほとんど出ていないのはどういうことだ、フランス人はショパンのことフランス人だと思ってるんですよ、なんて話をしました。先生も、ショパンはほとんどフランス人でしょうと言ってましたが、ショパンコンクールで残っているのはスラブ言語の国か、スラブ言語の国で学んだことがある人が圧倒的に多いという話をしてきました。
2時間目は、反論の仕方。一応相手のいうことを認めて、それから「私の意見としては」という言い方をするというやり取りの練習です。フランス人は議論に対して非常に礼儀正しく、ダイレクトにそれは違うとかは言わないのだそうです。


さて、今朝起きたらショパンコンクールのファイナルの出場者が発表されていました。
セミファイナルである3rdステージには23人のピアニストが残りました。その内訳は、ポーランド人6人、日本人5人、イタリア人(スロベニア含む)3人、ロシア人(アルメニア含む)2人、アメリカ人1人、中国人1人、スペイン人1人でした。


使用ピアノに関しては4つにわかれました。
一番多かったのがスタインウェイ479で14人、あとはスタインウェイ300とファッチオリとカワイが3台ずつです。


この中で、12人がファイナルに残りました。
個人名は書きませんが、イタリア人(スロベニア含む)2人、ポーランド人2人、カナダ人2人、日本人2人、ロシアーアルメニア人1人、中国人1人、韓国人1人、スペイン人1人という内訳です。で、ファイナルに残ったピアノですが、スタインウェイが6人、ファッチオリが3人(イタリア人女性:すごいフィジカルでいい演奏してました、スペイン人:昨日書いた一番ショパンショパンしてる人、カナダ人:ダンタイソンの弟子だそうで、中華系フランス育ち)、カワイが3人(カナダ人:カワイの音によく合った演奏をしていました、イタリア人:かなりフィジカルに恵まれていて、おっさんなんですがすごく若々しい演奏をしていました、韓国人:モスクワ留学中で、テイストがスラブでした)という感じになっています。


17歳の中国人とロシアーアルメニア人は二人とも通っていました。すごいと思います。その若さでここまで来れたんだから、すごくなるなと。特に中国人の17歳は海外(ヨーロッパ)経験がないんですよね。それなのに、国内だけの教育と、それほどないコンクール経験で、ここまで勝ち上がってきたのは素晴らしい。アルメニア人の女性はちょっと音が小さいなと思いましたが、ショパンらしい演奏を見事に決めていたので残ってくれて嬉しいです。


あと残ってくれて嬉しいのはスペイン人でファッチオリを弾いていた男性。良く歌うんです。見ていて楽しいし、音楽が楽しいです。技術的に不安定なところがあり、コンチェルトになるとそういう部分が目立つので、上位には食い込まないかもしれませんが、もし食い込んだら今回の審査員は新しい目線で見ているんだと判断できます。


日本人は女性と男性一人ずつ残りました。女性は前回のショパンコンクールでもファイナリストになった経験がある方で、3rdステージではマズルカと、プレリュード全曲弾いたんですが、その時はあまりいい感想を持てなかったんです。その次のポーランド人(この人もファイナリスト)が同じプレリュード全曲をやって、圧倒的にこの人のほうがうまかったので、日本人の女性のほうがかすんで見えてしまう。実力はあるから(手も大きくて10度が届く)、もしファイナルに残れなかったら完全に選曲ミスだなと思って心配していましたが、無事に通過。今年こそは入選してほしいです。


ファイナルに残れなかった人たちも皆さんいい演奏しました。皆さん肝っ玉が据わってるんですよね。いい意味で。私なんかちょっとした資格試験でもガクガクになってプルプルになってしまうほど緊張しいなのですが、2ndステージから演奏をずっと見てて、そんな人一人もいませんでした。海外勢は、よく経歴を見てみると、ほとんどが過去に大きな国際コンクールで優勝や入賞を果たし、大きなオーケストラと共演を果たし、CDデビューもしている大物ぞろいなのです。すでにカーネギーの舞台に立っている人などは珍しくなかったです。


コンクールの合間にいろんな人のインタビューがあって、もちろん演奏者がインタビューに答えることもあるのですが、ピアノテクニシャンやYoutubeの責任者のインタビューがあって、結構楽しかったです。特に3rdステージのインタビューは裏方の偉い人の話が聴けて大変面白かったです。まだYoutubeに上がっているのでお暇な方はどうぞ、それぞれのセッションの中頃にインタビューやってます。インタビュアーの一人は日本人なので英語がわかりやすいです。


明日から、ファイナルが始まります。ファイナルは皆さんコンチェルトです。ショパンは2曲しかコンチェルトを書いていないので、1番か2番のどちらかを弾くのでしょうけれど、1番と2番では曲の作りが全然違うし、ソロとコンチェルトではまた違うので、コンチェルトでこそ実力を発揮できるタイプの人もいるかと思います。どう変身するか、楽しみです。そういう意味では誰が勝つのか、本当にわからないですね。


コンクールそのものは23日までで、23日はガラなんだと思いますが、明日から3日間でファイナルをやります。夜中の1時からです。ライブで見られないな…。

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