ひまわり畑を夢見るブログ

44歳の時、乳がんの診断。ステージ2。手術して抗がん剤とホルモン治療。仕事と治療の両立の生活記録を残します。

アニメとか漫画の話

アニメのほうから。
「モブサイコ100」の3期が終わりました。いや~~~~本当に面白かった。
作者ONEさんは、あの「ワンパンマン」の原作者としても有名です。こちらの作品もチートなヒーローの物語ですが、「ワンパンマン」は作画をジャンプの有名な先生に任せたことで表現が大幅に変わり、物語にも(特に脇役が)深みが出て本当に素晴らしい、奥の深い漫画になりました。
モブサイコ100のほうは、主人公はモブなキャラクターの中学2年生。でも最強の超能力者という設定。超能力を持つことに悩んでいた小学生時代に、霊幻の経営する「霊とか相談所」の事務所にそのことを相談しようとして訪れてから、霊幻がモブを利用して様々な怪奇現象を解決したり超能力集団や宗教団体と対峙したりしていきます。教祖になろうとした、神になろうとした悪霊?エクボとか、超能力のある兄をどことなく恐れ、尊敬し、でも本気で付き合うことができなかった弟、様々なキャラクターの掘り下げがあって、1期から見ても面白いです。でもたぶん3期でアニメはおしまいかなと。最後大団円だったので(モブも霊幻のところのバイトをやめているので)これ以上彼らの活躍は書かれないんだろうなと思っています。
ともかくも、3期の最後は、暴走して町を破壊しつくすモブが、霊幻の勇気ある行動で、自分を取り戻し、幼馴染に告白しに行く、これだけのストーリーなのですが…。いろいろネタバレはありますが、モブとの友情ゆえに消えてしまったはずのエクボが戻ってきて、モブが自分を取り戻すのに、友達として良い影響を与えたり、霊幻の渾身のメッセージが伝わったり、いろいろこじれていた、いわばモブにとって現実だと思っていた仮の世界が、現実と一致して、何もかもが明白になった瞬間でもあったんです。虚構世界と現実世界、超能力者としての自分とふつうの中学生としての自分の一致という、一種のカタルシス、見事でした。アニメらしい演出も本当に素敵でした。ONEさんは人間の書き方が本当にうまい。裏表をよく知っているし、葛藤をたくさん書いていて、自分の中で、ワンパンマンやモブのような絶対的な何か、柱みたいなものが必要だよというメッセージを感じます。


漫画でYahooニュースに出ていたもので、「リプライズ 二周目のピアニスト」という作品がありました。電子版しか出ていませんが2巻まで即買いしました。体も手も小さいピアニスト志望の女性が、最後の国際コンクール(若手で国際コンクールの入賞歴がないとピアニストにはなれないので、ピアニストになりたい人たちは、チャイコンやエリザベートやショパコンなんかを受けて箔をつけるのですが、いずれも年齢制限があります)で落選してしまい、体の小ささ、手の小ささを心から恨むということが書かれていて、それをどう克服したのか、知りたかったので、ちょっと読んでみました。そしたら、面白いのなんの、彼女は死んでしまって、音楽高校のピアノ科の男子高校生に転生するのです。今まで手が小さいことで弾けなかったことがすらすら弾けて、大きな音も出せて、体力的にも十分で。
まだ2巻しか出ていないのですが、音高生ならではの悩みや、親との関係等、音高の男子高校生(ただし中身は30代バリバリピアニスト)の目で見て描かれています。作者は音高から大学院まで行ったピアノのプロで、細部にいろいろ仕掛けがあって、音楽家あるあるがあってそれも楽しめました。
でも、そっかー、手が小さくてもピアニストになれる、っていうことではないんですね。たぶんですが、この漫画の方向として予測できるのは、手の大きさや体の小ささは本質的なことではない、ということなのだろうと思います。この作者はその答えを知っているのか?それが楽しみでこれからも読み続けようと思います。


手の小さい人でも、ピアノ弾きになれるのか。手の大きさはハンデだと思うし、手が大きい人のほうが圧倒的に楽だと思うけれど、私は不可能ではないと思うのです。今は多様性の時代ですからね、要は、手の大きさを必要とするような曲を弾かなければいいのです。ショパンをよく勉強するとわかります。音量は全く必要ないし、手の大きさも必要ありません。当時のピアノは今のピアノみたいにバンバンやったら弦が切れてしまいますし、サロンコンサートの時代に大音響は必要なかったんですから。


ピアニストにも色々いるんですよ。名のある大学で教えている偉い先生もいるし、コンサートをたくさんやって稼いで世界的に活躍している人もいるし、まあでも音大出た人のほとんどがピアノの先生とかですかね。私が子供のころはピアノの先生は需要があったから、ピアノの先生を目指すという人も多くいたんですが、現在、ピアノの先生は余り気味です。いい先生と知られたら生徒が集中します。そして小学校からコンクールだのオーディションだの、厳しい競争社会が待っています。生き残るために大変な努力をするのです。一番にならなければ、意味がない世界ですからね。アスリートと一緒で、メダルをもらわないと、認められないのです。そして、練習を一日でも休めないのです。それはもう、何とも言えない恐怖なのです。練習を通して自分と向き合う緊張の日々。中高生くらいで自分の本質と実在に向き合うことは、かなり厳しい世界になるし、世界観も窮屈になりかねないし、間違った方向に行けば心を病んでしまいます。


まあだから、ピアニストとして成功してる人は、厳しい競争に勝ち抜くメンタルと体力に恵まれていたんだと思います。あとはお金ですかね。私の姉の時で音大で教えている先生にレッスンにいったら1時間3万か4万だったと思います。
うちは経済力がなかったので、毎週は見てもらえなかったようですが、私の分までは経済的に無理ということで(当時、音高や音大に入るなら音大で教えている先生に習わないと無理といわれていました)私は音楽の道に進まなかったわけです。
でも一応音大に入る教育は受けていたので、パリで音楽学校に入る時も全然問題なく飛び級できました。パリではピアノではなくヴァイオリンを専攻していましたが。



月曜から練習始めたバッハ。シフは全然譜面通りに弾いてないですが、この曲はシンフォニアの中でもめちゃくちゃきれいなので、弾く喜びを感じております。

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