ひまわり畑を夢見るブログ

44歳の時、乳がんの診断。ステージ2。手術して抗がん剤とホルモン治療。仕事と治療の両立の生活記録を残します。

折れそうで、苦しかった

今日はちょっと持ち直した感じです。精神的な落ち込みがひどかったんですが、今までこんな時、どうやって耐えて乗り越えてきたか、思いだしてみたのです。


かつて私が博士課程にいたころ、D論の締め切りを前にしていい結果が出なくて、先生からのメールも怖くなって、先生に会うのも怖くなって、もう大学院をやめてしまおうかとまで思いつめたことがありました。やることが多すぎて、重すぎて、首が回らなかったんです。


そこで出会ったのが、ワンピース。そう。あの漫画です。うちの研究所では漫画のストックがあって、ワンピースが1巻からずっとそろっていたんです。夜こっそり研究室に行って、ちょっとずつ借りて持ち帰りました。そこで読んだエピソードに、救われたんです。


読んでいたのは「バラティエ編」。イーストブルーの覇者ドン・クリークが会場レストランバラティエに攻めてくる話です。サンジが登場するところです。ここでの、ルフィとドン・クリークの戦いを読んで、感銘を受けたのです。
料理長ゼフが、何度も爆発する大槍に挑んでいくルフィを見て言いました。「少なくとも、あの小僧に、ためらいはない」。そうなんです。ためらいがない。逃げてない。ルフィはその後ドン・クリークの大槍に5発パンチを入れて武器をためにしてしまいました。自分は爆発で黒焦げになりながら。何度やられても、ちゃんと5発パンチを入れて武器を壊したんです。ダメになりながら、ぼろぼろになりながら、それでも自分の勝ちのほうに、努力をしたんです。


これで、私はその後、歩く時も、自転車に乗るときも、「ひるむな、ためらうな」と自分に言い聞かせて、いろんなところに、ひるむな、ためらうなと書いて、マインドコントロールとまではいかないですが、先生が怖くてメールも読めなかったのが、傷ついてもいいからメールを読もうと思えるようになり、怖くて先生に逢えなかったのが、何があってもためらわずに前に進もうと思って会いに行けるようになりました。


あの時あの漫画を読まなかったら私はドクターをとれていませんでした。
だからワンピースは私にとっては特別な漫画なのです。もう今は読んでいませんが、また時間が出来たら読みたいです。


そのあと、博士を出てポスドクで一回躓きました。あれはひどかった。今回の落ち込みはその時に非常に近いものがあります。どれだけひどいかというと、自分が何をやっているのかわからなくなるくらい、ミスの連続、集中力の欠如、それでも動くことは動く…もう生きる屍状態だったんです。ともかく休みたかった。だから裏で動いていろいろ相談したりしました。しかるべきところに相談にも行きました。だって当時はまだ知られていなかったけれど明らかなパワハラだったので。
今回の心の壊れ具合はその時に近かったですが、まだそこまでヤバくはない。上司が怖い、書類書くのが怖い、仕事に行くのが怖い、仕事するのが怖い、というのはありましたが、ワンピースのことを思いだし、昨日、夜、アマゾンプライムでそのシーンを見たのです。


漫画で読んだ時のような、開眼はなかったのですが、何となく思いだしました。あのつらい状況を超えたんだから、まだ私は頑張れるんじゃないか。上司に迷惑をかけてしまったけれど、上司は「やるの嫌だけど書類は毎回チェックします」と言ってくれたことに感謝して、ミスだらけの書類を作らないようにまた頑張ればいいんじゃないだろうか。


また心が辛いです。今日は仕事になりませんでした。でも業者さんに連絡を取ったり、仕様書書いたり、研究以外の仕事はできたので、呼吸は浅いですが、今まだ頑張れそうだと思っています。明日お休みなので、さらに元気を補充できるだろうと思います。


苦しい時、辛い時はバラティエ編に戻って来よう。初期のワンピースは本当に面白い。
それでも、今でも、ちょっと休みたいと思ってしまっています。1か月くらい休みたい。でもそんなことしたら大変なことになるのです。壊れそうな心を、何とかセロテープで固めて、それでも前に進まないといけないんです。


ひるむな。ためらうな。ひるむな。ためらうな。ちょっとずつでいいから、前に進もう。何度やられたって立ち向かっていったルフィを見習って、何度怒られても、何度呆れられても、やろうと思ったことはやろう。


ひるむな。ためらうな。苦しいけれど、迷っている場合じゃない。



でも本当はとっても苦しいよう。

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