ひまわり畑を夢見るブログ

44歳の時、乳がんの診断。ステージ2。手術して抗がん剤とホルモン治療。仕事と治療の両立の生活記録を残します。

休日だ、ああ休日だ、休日だ

何も予定がないって、とてつもなく、退屈ですね。
一人暮らしなのでなんの縛りもなく、やるべきことも特に決めていないので、自分の体のリズムで寝て起きて。これがあと2日続くのか…社会生活に戻れるのだろうか…。


指のけがの痛みはだいぶ治まり、乾燥させたおかげでかさぶたみたいになって、水にぬらしても少しくらいなら大丈夫になりました。このまま皮膚が再生してくれて、ぺりっとかさぶたになってはがれてくれたらいいのですが。


朝は5時半に起きました。どうもここ半年くらい、朝が早いのです。寝るのは12時なので、5時間半しか寝てないんですが、どうしても起きてしまう。夕飯が足りないのかな?で、結局その時間に朝ごはんを食べて、テレビ見たりポチポチとパソコンを見ていたりするのですが、8時か9時くらいまでまた寝てしまいます。今日もそんな感じでした。


お昼すぎてから、アマゾンプライムでアニメを漁っていて、観てみたかったけれど観ていなかった作品を発見。「UN-GO」という作品なのですが、放送されたのは2011年、私がまだパリにいるときだから見られなかったわけですが、パリにいながらも何となく気になっていました。安吾は私の大好きな作家の一人だからです。安吾の何をやるんだろう!!超楽しみ!!と帰国してそのまま忘れていたのですが、アマゾンプライムに上がっていたのを今日発見。早速1クール見てしまいました。


坂口安吾の「捕物帖」は書かれたのは昭和の戦後ですが、舞台となっているのは明治時代の東京。勝海舟とか出てくるんですが、主人公の新十郎と推理対決みたいな感じのことをしていつも勝海舟が負けて、その間を取り持つ某から、新十郎の推理を聞かされる、というような感じで全部で20話あります。短編の推理小説としてよくまとまっていて、若い頃熱中して読んだ覚えがあります。歴史好き、日本民俗好き、フランス好き、大変博識だった安吾の魅力を余すところなく発揮していた作品と思います。


その「捕物帖」を下敷きに、舞台を近未来にして、ファンタジー的に仕上げたのが「UN-GO」だそうで。それは楽しみ!と思って見てみました。なるほど2011年ころの日本人が思い描いた近未来で、2,3話で完結の推理ものなんですが、どこにも安吾の影がない。と思ったら最後のほうにありました。「ことだま」と「戦争」です。坂口安吾は言霊にはこだわった人で、だからといってこれを使って推理ものを書いたわけではないのですが、安吾の論説文には言霊の大切さがしばしば出てきます。その「ことだま」がこのアニメの戦犯になるわけです。あと、「戦争」については、もちろん反戦論者なのですが、戦争を決して過去のものとして美化しない、現実の日本人の生活に影響を及ぼした一つの大きな災害としてとらえているところがあります。その流れはこのアニメにも生きているかなと思います。この、近未来のアニメは、戦争の後の世界のことが書かれています(つまり近未来に戦争が起こるわけですね)。


Episode:0は劇場版なのですが、それもアマゾンで300円で買えたので見てみました。戦争の前後と、いかにして主人公新十郎が新十郎になるか、「因果」をつれるようになったかが描かれており、これを見ると、アニメシリーズではさえない感じだった主人公新十郎と、勝海舟的ポジションにあるはずの海勝麟六との関係が分かったりします。まあ、ほどほどによく考えて作られた作品だとは思いますが、安吾マニアの私としては、ちょっとパンチが足りなかったかな。女性の美しさとか、東京の面白さとか、人間ドラマがもっとあったらよかったのになと思いました。


安吾作品は短いものが多いので、ちょっと読んでみる分には楽しいから、さて読んでみようと思ったら、東京の家にはないんですね。埼玉の家に行けば本はあります。で、Kindleにたくさん安吾作品が入っているのですが、電源ケーブルが壊れていて現在Kindleは使えません。「捕物帖」と比較して読んでみたいと思っていたのに、残念。
安吾はエッセイもたくさん書いていて、日本の風俗や文化にも詳しく、我が家のルーツの近くにある高麗神社のことは安吾のエッセイで知りました。それ以外にもファルス的な作品も好きですし、歴史小説も好きです。もちろん「不連続殺人事件」をはじめとする推理ものも大好きです。


この時代(昭和初期)の知識人の多くに私は魅力を感じるのですが、それは戦前の緊張感に加え、近代西洋文明がどんどん日本に入ってきて、日本文化と化学反応を起こしたり、日本的に変容されていく過程で芸術が生まれていくからなんですね。


もっといろいろ読みたいなあ…。この連休中本はほとんど読んでいませんが、何か読もうと思います。


ピアノも弾けるかな?指の痛みがだいぶ引いてきたので、練習出来そうだったらやってみようと思います。


明日も休み~何もすることありません~。
何か決めてやらないと、本当に堕落する。まあでも安吾も堕落論者ですから、落ちるところまでおちて見上げる世界も楽しかろうと。

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