ひまわり畑を夢見るブログ

44歳の時、乳がんの診断。ステージ2。手術して抗がん剤とホルモン治療。仕事と治療の両立の生活記録を残します。

アニメ「ヴィンランド・サガ」幸村誠

いやあ…昨日終わりましたね、ヴィンランド・サガ。

ネタバレ含みますのでご容赦ください。


本来なら大ファンであるアシェラッドさんが死んでしまって私は悲しいんですが、これも彼の知略の一つと考えると、全くすごい知能だと思ってしまいます。スヴェン王に、「王子の首か、ウェールズかを差し出せ」と言われたときからの開き直りのえらそーなアシェラッドさんは本当にかっこよかった。多分、どちらも差し出せないと思ったから、それを実行するには、自分の命を差し出して、王子に自分を殺させて事態を収拾することで、王子を王にして生かし、ウェールズ侵攻も阻止したんだと思うんですね。よくそこまで頭が回ったなあこの人。


見事、あっぱれ。
っていうかもうこの話、トルフィンの話じゃなくて、アシェラッドさんの話でよくないですかね?


かっこいいです。最後に、トルフィンに、この後どうするのか、「なんもかんがえてねーのか」っていいますが、そりゃこんだけすごい人の命をずっと狙ってきたわけですから、その先なんて考えてないですよ、決闘することだけが生きがいだもの。その生きがいを無くしてしまった今、トルフィンは何をして、何になり、何を目指して生きていくんでしょう。今までずっと10年間父の仇としてあとをついてきた人が死んでしまうのですから。


アニメの終わりには、新天地に向かう若者の姿が描かれていました。これは今後トルフィンもきっとそういう新天地=ヴィンランドに向かう若者の一人になるのだろうということを予感させます。ある意味、アシェラッドさんは旧時代の象徴だったわけです。イングランド、ウェールズ、バイキング、デンマーク、この辺りでごちゃっと戦争やって領土争いしている人たちというのは(歴史的にはもうちょっとこのごたごたは続きますが)旧時代の人間になるのでしょう。新時代の人間は、真に平和な地を海の西の向こうに見出して、そこで新たな共同体や国を作っていく、ということなのではないかと思います。


って、漫画読んでないので先がどういう展開かわかりませんが、アシェラッドさんは、最後はイングランド王として死んだので(周囲からは狂人と思われたかもしれませんが)、この辺りのごたごたはまだ続くんだろうということはアニメからもわかります。そして王子がやがて立派な国王になることも何となく予感させます。その世俗を置いて、トルフィンはヴィンランドを探しに行くんじゃないのかなと思ったりもします。だってねえ、生きる意味無くしちゃったんですからねえ。もう現世での手柄だの、バイキングの誇りだの、どうでもいいじゃないですか。次は遠い世界を目指すのが少年ってものですよ。


アシェラッドさんは最後までほんとうにかっこよかったです。最後にトルフィンにその後のことについて示唆的な発言をするのも気に入りました。アニメがここで終わるのはちょっと残念ですが、トルフィンの子供時代がここで終わったと考えると、まあまあ納得いく区切りだったのではないかと思います。


あー面白かった!
死にざままでかっこいいぜ!アシェラッドさん(ハゲでオッサン)!

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