ひまわり畑を夢見るブログ

44歳の時、乳がんの診断。ステージ2。手術して抗がん剤とホルモン治療。仕事と治療の両立の生活記録を残します。

図説「ケルトの歴史」ふくろうの本

なぜにケルト?
というのは、魔女狩りの本を読んでいて、キリスト教が、異教徒の神様(多くは多神教の神様)を、一方では聖人として取り込み、一方では敵対する悪魔や魔女として「生かすべかざるもの」とみなしてきたことから、ではその異教徒の神様ってどんなんだったんだろうと思って、ヨーロッパに広がっていたケルトの文化に興味を持ちました。


ケルト文化で有名なのは、ハロウィンとか、エンヤとか、アイリッシュフィドルとかですかね。それ以外にも、私は現地で生活していて、ケルト的風習というのに多々出会いました。魂という概念もそうです。はっきりしない伝説を持つ聖女の話もそうです。そういったことを、信じているのです。さらにアニミズムに抵抗がない人がフランスには多かったのです。意外でした。カトリックの国だと思っていたのですが。


間違いなく、ケルト文化というのは、ヘブライの宗教、ローマ・ギリシャの宗教とともにヨーロッパを作ってきた文化の一つです。
宗教と言えるほど高度なものを持っていたわけではないかもしれません。というのは書き残されたものは、もっぱらのちの制服民族であるローマ人の手によるもので、ケルト独自の文字を持っていたわけではないのです。言葉はたくさんあって、現代に復興されつつあります。ブルトン語、オック語、アイルランド語、などなど。


というわけで、ケルトの歴史の入門書として、最近注目している「ふくろうの本」から図説を読んでみました。今はもう次の本を読み進めているので、エッセンスだけ。


ケルト文化の前に、ヨーロッパには巨石文化がありました。ストーンヘンジとかカルナック巨石群はその時代、旧石器時代から新石器時代の話です。紀元前3000年くらい。それから、黒海とカスピ海あたりに起源をもつ「インドヨーロッパ語族」がヨーロッパに入ります。その後、ケルト人とひとまとめにされている、中央ヨーロッパに定住していた民族が、ブリテン島にわたり、アイルランドにわたり、南はイタリア、そして飛んでトルコ、東はハンガリー、西はイベリア半島にまで広がっていったそうです。
「島のケルト」という人たちと「陸のケルト」という人たちに分類されていますが、そもそもが「陸のケルト」という人たちがいて、ブリテン島やノルマンディ地方に進出していったのが「島のケルト」なので、起源は「陸のケルト」です。


ハルシュタット文明というケルトの文明が、BC8-7 世紀に栄えます。鉄器文明です。言わずと知れた東方からの鉄の伝来によって栄えた文明です。オーストリアあたりなのだそうですが、ここは元は塩の交易路だったそうです。北海と地中海をつなぐ塩の道にいた民族らしいです。


BC5世紀ごろに次の文明である,ラ・テーヌ文明が栄えます。これはスイスあたり。これも鉄器文化です。ケルト文化はイタリア半島にも進出してしまいますが、BC2世紀ごろには衰退してしまい、そのころになるとローマが力を持ってきて、そのうちカエサルのガリア(ガリアというのはフランス地方の古い地名です)遠征が始まり、この部隊はヨーロッパを突き進みブリテン島にまで達します。この過程でローマ化されて行ってしまうのです。その後は皆さんの知る歴史の通り、ヨーロッパはローマ帝国に征服(短い間ですが)されてしまいます。


ケルトの文化は細々と残りますが、キリスト教の波に飲まれ、民間伝承にのみケルトの風習が残っていきます。キリスト教では下等とされていた動物を大切にしたり、森を神聖視したり、水の女神をまつったりするのはケルトの風習です(世界的に、水の神様って女性ですよね。インド・ヨーロッパ語族の伝統なのかわかりませんが)。


「ガリア戦記」によると、ガリアには3つの身分階級があったそうです。平民とドルイドと騎士です。また別の説では、詩人とドルイドと予言者が尊敬される立場であったとも言われています。ドルイドとは何か。司祭のようなものです。その民族の宗教的な指導者であるだけではなく、世界や天体についての自然科学的知識も持った知識階級だったと思われます。
現代のケルト文化再興の行事としてストーンヘンジでドルイド僧がお祭りを開くことがありますが、ストーンヘンジとドルイド僧は関係ありません。

そんなケルトの死生観はちょっと面白い。キリスト教の天国とは異なり、死は長い一生のうちの一つの出来事でしかなく、死後は別世界に行ってまたそこで人生を送るのだそうです。だから、死に物狂いの戦いができたのではないかと思います。ちょっと北欧神話とも関連がありそうですね。北欧神話も戦って死んだら別世界に生まれ変わりそこで思う存分戦えるのだそうです。なので戦士は名誉ある仕事で、永遠を生き抜くのだそうです。
ドルイドはプリニウスからは「ガリアの魔術師」とも呼ばれていますが、まあちょっと科学的なことをしたとすればそれは魔術に見えてしまったかもしれませんね。

ケルトにはたくさんの神様がいました。工芸意匠の中にその神様はたくさん残っていますが、文字がない文化だった故に、ローマ人が記録したものが残っているか、民間伝承の中に残っているかで、確かな神様の名前というのははっきりとしないものばかりだそうです。400柱ほど神様がいたと伝わっています。ですが、ローマやギリシャの神様と「習合」されて行ってしまうのです。

日本でも、本地垂迹説によって仏教の神様が神道の神様と関連付けられていましたが、同様のことはケルトの文化についても起こっていたようです。

女性の神様は特徴的で、特に水の神様は女神で、セーヌ川も女神だそうです。確かに、セーヌ川は女性名詞ですしね。それから、ケルトの広い地域で馬の神様が信仰されていましたが、これも女神だったそうです。さらに、3人そろった女神様というのも伝わっています。これは母神と思われます。3人まとめて像になっている写真を見ました。豊饒の神、大地の神、水の神、などと言われていますが、詳しいことはわかりません。そういえばフランスでは「3人娘」というのは大変喜ばれていまして、私が3姉妹だというと大変面白がられました。縁起がいいみたいなことを言っていました。

こうした神様はキリスト教の中では、一方で聖人にされてしまいます。聖人伝説の中で、女性で特に活動内容がよくわからないような聖女は、ケルトの神様だった可能性が強いです。そうやってキリスト教はケルトへの布教時に、ケルト人を説得していってキリスト教化していったのです。
もちろん、魔女になった神様もいるのです。森を信仰することはケルトの特徴的な信仰なのですが、キリスト教時代の魔女は森に棲んでいます。

「島のケルト」に特有の思想で、陸の異界、海の異界というものがあります。この海の異界は、徐福を思わせるものです。海のかなたに異界の不思議な島々があるのだそうです。また、西方の海底には神々が住んでいるのだそうです。西方の海の向こうに神聖な場所があるということは、やがてキリスト教に取り込まれ、「約束の地」が海の向こうにあるんじゃないかという思想になりました(そしてそれはアメリカなんじゃないかと信じているアメリカ人を生産しました!!!そんなわけあるかい!)。

ケルトの神話から派生した物語で、アーサー王伝説というのが有名です。これはケルトの地域の中でもウェールズの伝承をもとにしているのだそうです。現代の日本でも結構知られている物語ですよね。実在した王だとも言われていますが、多分神話だと思います。エクスカリバーとか、円卓の騎士とか、魅力ある伝説が語られていますね。後世の人の創作だとしても、その根底にはケルト人の思想が流れているそうです。

あと、ケルト文化で特徴的なのは、渦巻き模様や、紐文字です。これらは、その宗教観から生まれてきたものです。これは「始めも終わりもない無限の循環」の表現かもしれないと書かれていました。渦巻きから渦巻が生まれ、どんどん増殖していく様は、現代の、三角形の一辺に、その辺の長さの3分の一の三角形を作って、それをどんどん増やしていく、コンピューターアート、そうそう、フラクタル!それを思い起こさせます。大好きな模様です。

もっとケルトについて勉強したいと思ったので、今は講談社学術文庫の「ケルトの水脈」という本を読み始めています。とっても読みやすくて、わかりやすくて、逆に私たちってヨーロッパはキリスト教の国だと単純に信じていたんだなあとつくづく思いました。また読んで新しい発見があれば書きたいと思います。

朝食:具沢山味噌汁
昼食:燃焼スープとバナナ+ヨーグルト
夕食:みかん2つとバナナ2本。ルパン三世が楽しみすぎて食べるタイミングを失ってしまった…。
おやつ:先生のお土産のどら焼き、チョコブラウニー。

今回の「ルパン三世・イタリアンゲーム」は、第4シリーズを見ていないと、ちょっとわかりにくい展開だったと思われます。私はちゃんと見ていたので隅から隅まで理解したつもりですが、敵がどういう人なのか、背景が書かれている第4シリーズを見てこそ、今回のテレビシリーズの内容が深まったと思います。レベッカという女性も、今回の放送ではただのおてんば娘ですが、本当はそうじゃないんだということがテレビシリーズを見ないとわからないかもしれませんね。ルパン三世もアマゾンプライムで配信しないかなあ…。銀魂は毎日見ているんですけどね…。

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