ひまわり畑を夢見るブログ

44歳の時、乳がんの診断。ステージ2。手術して抗がん剤とホルモン治療。仕事と治療の両立の生活記録を残します。

「嘘だらけの日独近現代史」

本は買うまいと、心に決めていたのですが。「嘘だらけの日仏近現代史」を読んでから、続編が読みたくなって、昨日研究会用のポスターも仕上がったことだし、土日余裕あるしで、ついつい買ってしまいました…。禁本守れなかった…。私ってホント意志薄弱…。


さて、昨日買って一気に読んでしまった「嘘だらけの日独近現代史」ですが。やっぱり面白いですね(でも日仏のほうがずっと面白かった。フランス史には個性的な人がたくさん登場して、いかにもフランス的なことをやらかしてくれていましたからね、ああわかるわかるってことがいっぱいでした)。著者の的確な突っ込みが、笑えます。本当に息抜きにはちょうどいい本です。


ドイツについては、長年いちおう形のあった(なくなった時もあったけど)フランスより事情が複雑で、途中まではどう考えても「日墺中世史」でした。まあ歴史的経緯から言って、ドイツというのが「ドイツ語を話す人」だったら、スイスもルクセンブルグもオーストリアも入るわけで、ドイツの前身が神聖ローマ帝国だったとしたらその盟主はハプスブルク家ですから、中世ドイツを語るにはやっぱりオーストリアを語らないことにはしょうがないのですが。
途中から簒奪したような、元ドイツ騎士団のプロイセン。その外交が面白い。ドイツ連盟からオーストリアを追い出したり、ドイツ帝国になってからロシア、イギリス、フランスをけん制してたら日本と合わせて4国で同盟組まれて孤立しちゃったり。私は今まで外交史には疎かったのですが、「日仏」と「日独」とを読んで、策略や工作の重要性を感じました。表に出てこない歴史だけれど、本当に世界を動かしていたのは、民衆でも皇帝でもなく、外交内政に対して確たる信念をもって策略を張り巡らしていた一役人だったりするのです。


しかしこの著者は、記述の正確さはともかく(ちょっと端折りすぎだよと思うところもある。そりゃ中世から書いてるんだから端折らないと書ききれません…)、ものすごく記憶力がいいんですね。古代から現代まで、よくぞ細かいことをおぼえておられて、突っ込みを入れていらっしゃる。その突っ込みの入れ方がまた面白い。
私の知り合いでも歴史好きで物理学から歴史学に転向した人がいますが、その人も記憶力がすごかったです。人名も時代もしっかり覚えていて、それぞれの出来事を見てきたかのように面白く語ってくれました。
私は記憶力が弱かったので、足し算と掛け算だけでわかる数学と物理の世界に飛びつきましたが、記憶力があったら歴史の勉強をしたかったですね。


それからこの著者はご専門が憲政学なので、話は政治的なことに偏ります。というか、日独近代史といえば外交史ですから、政治的なことに偏るのは仕方ないのですが。まあそういう本はほかにも出ているので、詳しく当たろうと思ったらもっと詳しい専門書を探せばいいのですが、私は正確さをこの本に求めていません。求めているのは突っ込みの面白さです。通説が書いてあり、本当はちがいます、という展開なのですが、その切り口が面白い。
本の最後には、日本の現状や将来についての言及もあり、この人は日本の事よく考えて本を書いているんだなと、若いのに、すごいと思いました。


この著作者さん、倉山満さんというのですが、ほかにも本をいろいろ書いているらしいので、読書の読みたいリストに加えておこうと思います。まだまだ読みたいリストはいっぱい入っているので、今リストに加えると実際読むのは来年になりそうですが。


今日は医者行ってカフェでフランス語の勉強してそれから読書して掃除して洗濯してました。明日はフランス語教室です。最近ヴァイオリンの練習が全然できていませんが、研究会が終わったら頑張ります。



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