ひまわり畑を夢見るブログ

44歳の時、乳がんの診断。ステージ2。手術して抗がん剤とホルモン治療。仕事と治療の両立の生活記録を残します。

涼しい!+「わたしたちが孤児だったころ」

埼玉から東京に帰ってまいりました。
母との5日間も楽しく過ごせました。埼玉は確かに暑かったけど、今日は信じられないほど涼しかったです。秋の風が吹いていました。
東京も、風が吹いていて涼しいです。私の部屋は34度になっていましたが。
でも30度で涼しいって思えるなんて、ちょっと異常ですよね、沖縄のほうが涼しいんですよ。下手すると東南アジアのほうが涼しいという。


さてお盆休みいろいろやろうと思っていたのですが、思ったほどできませんでした。フランス語の勉強はしましたが、ヴァイオリンの練習はほとんどできず、スクリャービンの研究もほとんどできず、ただただ母と話をしていただけでした。読書もやっと1冊クリア。


Ishiguroの「わたしたちが孤児だったころ」。時代背景や設定から、大変期待して買ったのですが。文章は読みやすい、ただ、主人公は夢想的で、理想主義的で、ご都合主義で、人間臭くないというか、戦時中に生きていながら「その程度の思想しか持てないのか」と思ってしまうシーンが多く、たとえ私立探偵だという設定があったにしろそれも生かし切れていない気がします。
ここのところ連続してイギリスものを読んでいて、この小説にもイギリス紳士の典型のようなものが出てきますし、人々は礼儀正しいし、主人公に対して好意的だし、型にはまったイギリス紳士が見えてきました。それは時代が変わっても今でもきっと変わらず存在する美徳なんだと思います。でも、いささか軽薄な美徳としか思えません。
と、なかば批判的に物語をよみすすめて、土壇場で急展開です。
人間が、自分の人間的な基礎の形成や、経済的基盤、教育的背景などすべてが「だれか自分の母親を陥れた人からの援助」だったなら、まるで自分のたっている地盤がなくなるような感覚に襲われはしないだろうか。このような経験を淡々と、大きな驚きもなく、書き進めていくところに、Ishiguroの「らしさ」を感じました。


結果的に、面白かったと思っていますが、そこまでに至るにものすごくフラストレーションがたまります。探偵らしいところを見せてみろと、何度も思いました。日本人の友人がどうなったか、明確にしてほしいとも思いました。


引き続き今週はイギリスものに挑戦したいと思います。
フランス語の試験が19日にあります。それまではちょっと読書は禁止、フランス語を勉強しなければ。


ということで、残暑が私たちに優しい気候になりますよう、心から祈っております。

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