ひまわり畑を夢見るブログ

44歳の時、乳がんの診断。ステージ2。手術して抗がん剤とホルモン治療。仕事と治療の両立の生活記録を残します。

一番好きな作曲家を挙げよ

これ、「好きな作家を挙げよ」と同じくらい、ぱっと答えられない質問なのです。


実家に帰ってきて、楽譜の棚を整理していたのですが、この棚を見た人は何を思うだろうかと考えたりしました。たとえばですが、私ががんで早くこの世からいなくなることになったとしたら、この棚は誰が生かしてくれるのか、誰が見てくれるのか。姪っ子か、甥っ子が引き継いでくれるだろうか。


楽譜はピアノ曲が多く今日はピアノ曲だけ整理しました。ショパンとラヴェルが多いです。ショパンはたくさん弾きました。10冊ありますね。ラヴェルもたくさん弾きました。ラヴェルは作品数が少ないのでそれほど冊数はないのですがたぶん全曲持ってるかも。でもどちらも私が一番好きな作曲家ではありません。私が一番好きな作曲家の楽譜は3冊しかありません。で、大体、私が一番好きな作曲家を素直にしゃべってしまうと、奇人変人扱いされてしまいます。


それでも最近はずいぶん市民権を得て、色んなところで演奏されるようになりました。ちょっと前までは、「変わった作曲家が好きなんですね」といわれたし、私のピアノの先生はそんな作曲家は知らないといっていたし、誰かに教わろうにもその作曲家を深く知る人は周囲にいなかったのです。


対比して語られることの多いラフマニノフのファンに比べたら圧倒的にファンは少ないですが、私はとても好きで、よくソナタを弾いたりしました。それは若いころの話。40過ぎてから、譜面を読むのが面倒になってきてしまい、今はあまり弾きません。


2番目に好きな作曲家はすぐ答えられます。モーリス・ラヴェルです。「道化師の朝の歌」からラヴェルーラビリンスに入り込み、スカルボではまり込んで出られなくなり、これを生涯の目標にしようと、時間があるときは練習したりしていました。最近は面倒くさくなってしまい、弾いていませんが。
3番目に好きな作曲家はリストです。誕生日が一緒なので、親近感が沸いています。メフィストワルツが大好きなのですが、手が小さくて指が届かなくて弾けません。物理的に演奏不可能なことが結構あるのですが、リストは概して弾きやすいです。あまりトリッキーなことがなくて、素直にかっこよく曲を書いています。


4番目以後は順位がつけられない。アルバンベルクとかシェーンベルグ、プロコフィエフやショスタコービッチやハチャトゥリアン、ドビュッシーやフォーレやフランクなんかが好きです(挙げるときりがない)。もちろんベートーベンやモザールやバックも好きです。冬に職場で音楽会があるのですが、そこではメンデルスゾーンとバッハを弾こうと思っています。バッハは生涯で多くの曲を残していますが死後一時的にクラシック世界では埋もれてしまいます。それを再発見したのがメンデルスゾーンなのです。メンデルスゾーンにはバッハ的な表現が時々出てきます。敬意が見て取れます。


私が初見が得意だったら、ぱっと楽譜を出してさっと弾くのですが、私は初見ができません。何度も何度も弾いて体が覚えてからやっと曲になる感じで、練習時間がとても長くかかります。その代わり一度覚えた曲は意識不明になっても弾ける自信があります。


音楽の棚の前で。
音楽にまみれて生きていけたらこんな楽しいことはなかったのに。どうして私は違うことやってるんだろう。どうしてこんなところに来ちゃったんだろう。パリにいたときは音楽もできて自分の知識も生かすことができて、この世の楽園だったなあ…。


明日は弦楽器の棚を整理しようと思います。


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