ひまわり畑を夢見るブログ

44歳の時、乳がんの診断。ステージ2。手術して抗がん剤とホルモン治療。仕事と治療の両立の生活記録を残します。

あなどるなかれ、チャイコフスキー

先日、チャイコ5番のヴィオラを弾いてきたのですが、


なにこれ難しい!!


ヴァイオリンだったら10回くらい演奏会で弾いたことがあるのですが、5番は6番に比べてまじめに練習していった記憶があります。やたら難しかったです。4楽章とか特に。なのでヴィオラで弾いていても時々1stVnのパートが出てきてしまいます。


5番の何が難しいかというと、イレギュラーな音階ですね。確かにヴァイオリンコンチェルトなんかでも音階がイレギュラーでめんどくさかったですから。でもヴァイオリンだったら弾けるのにヴィオラだととたんに難しくなってしまう。隣り合う音の間隔が広いから、ちょっとずれても気が付かない代わりに、何の音弾いているのか分からなくなってしまう。ついでにというか、これが一番大きな難しさなんだけど、最近楽譜読んでいないので、何の音が書いてあるのか、そしてそれには臨時記号がつくのかどうか、それが分からなくなってしまってるんです。
いっぺん弾いて頭に入れてしまえば弾けないことはないんですが、全然頭に入ってこない。変な音階ばっかりだし、でも時々きれいなテーマを弾けるのでそれはうれしいです。


作曲者によってヴィオラの扱いってすごく違っていて、ベートーベンはヴィオラ好きなんでしょうか、結構おいしいことやらせてくれます。刻みでも楽しめます。ブラームスは他のパートのテクニックと同程度の難しさをヴィオラにも要求してきます。ブルックナーとかだとちょっと楽。遠くから「あーヴァイオリン大変そうー」って見ていられる余裕があります。あと作曲家によってヴィオラをうまく生かせてない人もいて、例えばベルリオーズの「幻想交響曲」は1stVnをやっていればヴィオラは目をつぶっていても弾けるくらい、ファーストヴァイオリンの補強としての役割ばっかりだった。もうちょっと頑張って工夫してくれと思ったけど、弾く側としてはファーストヴァイオリンを何度もやっているので楽でした。


チャイコフスキーはヴィオラにはヴィオラらしい仕事をやらせる作曲家だと思います。テクニックは、ヴァイオリンより難しい。きっと嫌いなヴィオラ弾きがいたんでしょうか、どうしてそんなことさせるんだ!って言いたくなるくらいアクロバティックなことをやらせる。特殊な弓の技術が必要なので、普通に個人でヴァイオリンやヴィオラを習っているだけの人には難しい(そういう人が結構迷惑かけてるんだけど自分では弾けてると思ってる不思議)。ちゃんとオーケストラのテクニックを知ってる人じゃないと難しい。なので、すごく勉強になります。


今、マーラーの5番を聞いているんですが、すごく難しいですね。私、自分が信じられません、マーラーの5番は1stVnを3回か4回はやってるんですが、今の私にあれを弾けといわれても、無理です。あんな難しいの昔は弾いていたんですね。確かそれでオーディション受けて合格してるんですよね。不思議です。っていうか、ずいぶんもう長くヴァイオリンもヴィオラもサボっているので腕が落ちているんでしょうね。


来月にまた本番があるのでそれまでにもうちょっとマシになっておきたいです。そのためには週に2日くらいは練習したい、早く帰れる日を無理にでも作ろうと思います。


本当は私は何がしたいんだろうか。
常に考えるようにしていますが、「どんな曲でもさらさら弾けてかっこいいヴァイオリン弾きになりたい」というのが一番な気がします。でも楽器はお金にならないから転職するわけにも行かず。どうやって音楽と共存していくか、ずっとこれは人生のテーマになっています。


長くなりまして。また乳がんの話じゃないですが。たまには音楽家らしい話でした。


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